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東京五輪閉会―出場選手皆が主人公…ありがとう、楽しかった

登録:2021-08-09 06:30 修正:2021-08-09 07:38
東京五輪、17日熱戦の末閉幕 
コロナ禍の悪条件を乗り越えた汗と情熱 
全世界に届けた涙と歓喜の瞬間
上から時計回りにアン・サン(アーチェリー)、ナタリア・パルティカ(卓球)、エレーン・トンプソンヘラ(陸上)、ファン・ソヌ(水泳)、ケーレブ・ドレッセル(水泳)、西矢椛(スケートボード)、キム・ヨンギョン(バレーボール)、ウ・サンヒョク(陸上)=東京五輪写真共同取材団/外信総合・聯合ニュース

 2020東京五輪が8日、東京の国立競技場で開かれた閉会式を最後に幕を閉じた。前代未聞の無観客で行われた大会だった。当初、昨年7月に予定されていた大会は、新型コロナウイルスの感染拡大で史上初めて大会が延期された。紆余曲折の末、大会が始まったが、選手村で感染者が発生するなど、防疫問題が明らかになった。日本国内の感染者も急速に増えた。大会期間中にも中止を求める声が高まるほどだったが、無事17日間の行程を終え、幕を下ろした。

 風前の灯火のようだった東京五輪を再び燃え上がらせたのは選手たちだった。彼らはこれまで流した汗で歴史を塗り替えた。アーチェリー女子韓国代表チームは重圧の中でも落ち着いた姿で女子団体戦9連覇という偉業を成し遂げた。五輪初出場で3冠に輝いたアン・サン(20)は人々を勇気づけた。しきりに「ファイティン!」と叫ぶキム・ジェドク(17)の姿に多くの人々は元気をもらった。

 最後の五輪挑戦に乗り出した女子バレーボール代表チームのキム・ヨンギョン(33)は、連日奇跡を起こした。大会を通して「ワンチーム」を強調してきた代表チームは、ベスト4入りという輝かしい記録を残し、一つになればいかなる困難も乗り越えられるという希望を与えた。走り高跳びのウ・サンヒョク(25)と水泳のウ・ハラム(18)らは、メダルを手にしなくても誇らしく思えるという教訓を教えてくれた。ベストを尽くすとは何かを全身全霊で示してくれた選手たちと共に泣いて笑う中で、人々はしばらくコロナ禍の厳しい現実を忘れることができた。

 国境を越えた歓喜と感動もあった。ケーレブ・ドレッセル(25、米国)は水泳で5冠を達成し、マイケル・フェルプスに続く新たな王者の誕生を知らせた。エレーン・トンプソンヘラ(29、ジャマイカ)は2016年リオ五輪に続き、陸上で2冠に輝き、名実共に陸上短距離の女王であることを証明した。右手のない卓球選手、ナタリア・パルティカ(32、オランダ)の活躍と最年少で金メダルを獲得したスケートボードストリートの西谷椛(14)の情熱はスポーツの多様性と可能性を示した。

 今大会は韓国社会が五輪に新しい意味を見出す過程でもあった。メダル獲得にかかわらず、選手たちが見せてくれた献身と闘志に人々は熱狂した。マイナー種目の選手に対する関心もいつになく高かった。金メダルの数が重要視された過去とは明らかに違っていた。五輪をきっかけにスポーツを始める人も増えた。五輪が国家的アイデンティティを確認する過程ではなく、個人のアイデンティティや友情、連帯を確認するお祭りへと変わりつつある。

 今大会では何よりもコロナ禍の中でもスポーツの心臓が力強く鼓動していることを確認できた。社会的距離を保つことが最高善となった時代に、今大会は私たちが取り戻さなければならない普通の暮らしが何かを見せてくれた。 また、政治的・経済的利権を超え、五輪とスポーツが本当に追求すべき価値が何であるかも加減なく表した。 数多くの疑問や課題を残し、ウィルス時代の五輪はこのようにして幕を閉じた。パラアスリートたちが出場する東京パラリンピックは24日から始まる。

東京/イ・ジュンヒ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/sports/sportstemp/1006898.html韓国語原文入力: :2021-08-09 02:30
訳H.J

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