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韓国、双子増加率3倍以上で世界最高レベル

登録:2021-03-16 05:46 修正:2021-03-16 07:31
30年間で世界の双子出産の割合、0.9%から1.2%へと急増 
体外受精施術の大幅な増加が主な原因 
胎児・産婦の危険に相次ぐ規制…ピーク迎えた見込み 
 
韓国、増加率3倍で世界最高レベル 
出生児数が半減しても双子は30%増加
1978年に登場した体外受精施術は双子ブームを巻き起こした=ピクサーベイ//ハンギョレ新聞社

 1978年、世界で初めて試験管ベビーを誕生させた体外受精(IVF)技術は、自然妊娠が難しく不妊に悩む人々に新たな希望と祝福をもたらした。初の試験管ベビーが誕生してから40年間、この技術のおかげで生を受けた赤ちゃんは800万人を超え、この技術を開発した医学者には2010年ノーベル生理学医学賞が贈られた。体外受精技術とは、試験管で卵子と精子を受精した後、胚(受精卵)を子宮に移植することから「試験管ベビー」の施術とも呼ばれている。

 ところが、この技術はまた別の現象を生んだ。妊娠成功率を高めようとする過程で双子を妊娠する場合が多くなったのだ。最近は周りで双子を見るのはそれほど難しくない。全体の出生児数は減る一方、双子はむしろ増える国もある。韓国がその代表的な例だ。韓国の出生児数は2000年に63万人、2019年には30万人と半数以下に減ったが、同期間中双子は1万700人から1万4000人へと30%増加した。

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双子、年間166万組…新生児42人に1人の割合

 世界的な少子高齢化の裏面で起きている双子ブームがピークを迎えているという分析が出た。

 英オックスフォード大学のクリスティアン・モンデン教授が率いる国際研究陣が165カ国の1980~2015年の統計などを分析し、12日に欧州の人間生殖発生学会の国際学術誌「人間生殖」(Human Reproduction)に発表した論文によると、世界の双子の出生率は30年間で0.9%から1.2%へと30%以上上昇した。新生児数基準で見ると、全体の2.4%が双子だ。地球上で生まれる新生児42人に1人は双子ということだ。

 1年間に生まれる双子は、1980~85年の年平均116万5000組から、2010~2015年には166万3000組へと43%増えた。一方、同期間中の全体出生回数は年間1億2880万から1億3860万へと、約8%の増に止まった。

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韓国の双子の割合4.6%…アフリカ、遺伝的要因で双子が多い

 研究陣は1980年代以降、ほとんどの国で双子の割合(出産回数基準)が高くなったと明らかにした。双子が占める割合の増加率がアジアでは32%、北米では71%だった。特に、韓国の場合、1980年代初めの0.5%から2010年代初めの1.54%へと増加率が3倍に達する。韓国で初めて試験管ベビーが誕生したのが1985年であることを考慮すれば、急激な増加傾向にある。統計庁が毎年発表する「2019年出生統計」によると、全体出生児数に占める双子の割合は4.6%に達する。これを根拠に推定すると、現在、韓国の双子出産比率は2%をはるかに超えていると推定される。

 隣国の中国や日本も同期間、双子の割合が高まった。しかし、増加率は韓国には大きく及ばない。日本は同期間0.61%から0.96%に、中国は0.65%から0.98%へと増えた。

 体外受精施術が活発でないアフリカでは双子の割合にほとんど変化がない。しかし、伝統的にアフリカでは双子が生まれる割合が非常に高く、現在1.7%に達する。モンデン博士はアフリカの高い双子の割合は正確な理由は分からないが、遺伝的要因のためとみられると、科学専門誌『ニューサイエンティスト』に語った。

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高齢出産も一因…30代後半の産婦の双子出産割合が最も高い

 増えた双子の大半は二卵性双生児だ。二卵性双生児とは、二つの卵子と二つの精子がそれぞれ受精して生まれた子どもたちを指す。このため、二卵性双生児は同時に生まれただけで、互いに異なる遺伝情報を持っている。

 二卵性双生児が増えるのは、妊娠成功率を高めるために過排卵を誘導する注射で一度に2つ以上の卵子を採取して受精した後、子宮に移植するためだ。

 双子が増えるもう一つの原因は出産年齢の高齢化だ。先進国や中進国の場合、女性の経済活動への参加が活発になり、結婚時期や出産時期も遅れている。ところが、加齢によって卵胞刺激ホルモンの分泌が活発になり、一度に2個の卵子を排出する可能性が高くなる。韓国の場合、30代後半(35~39歳)の妊婦から双子が生まれる割合が6.9%で、最も高い。

 しかし、全体的に世界的な双子増加現象は、体外受精の影響が高齢出産によるものより平均3倍も大きいと研究陣は明らかにした。

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2000年以降、生殖補助医療規定を強化

 体外受精施術で懸念されるのは、双子を妊娠した場合、早産および低体重児が生まれるリスクが相対的に高まることだ。産婦にも妊娠性糖尿、産後うつなど妊娠合併症の危険が高くなる。

 このため、多くの国では母性保護のため2000年頃から生殖補助医療に対する規定を強化し始めた。例えば、英国では不妊クリニックで体外受精の際、一つの胚だけを子宮に移植するように規制している。韓国は2015年から体外受精時に移植できる胚の数を最大5つから3つに制限している。

 研究陣はこれにより、双子の割合は先進国の場合2010~2015年にピークに達し、その後10年以内に下落傾向に転じたものと予想した。

 研究陣はその根拠として、欧州で単一胚の移植回数が1990年代には10%弱だったが、2017年には40%に高まった点を挙げた。また、2つ以上の胚を移植するケースが全体の半分を超える55%前後だが、このうち3つ以上胚を移植するケースは減少した。研究陣はしかし、これは今後開発途上国で体外受精施術がどれだけ行われるかによって相殺される可能性もあると明らかにした。

クァク・ノピル先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/science/science_general/986757.html韓国語原文入力:2021-03-15 11:30
訳H.J

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