「(北朝鮮の観客たちが)声を出して歌を一緒に歌ってくれるのを見て緊張が解けました。拍手も大きくしてくれて、感謝の気持ちで歌いました」
1日夕方、平壌(ピョンヤン)の東平壌大劇場で開かれた「南北平和協力祈願南側芸術団平壌公演ー春が来る」を終えて舞台を降りたレッドベルベットが、取材陣に対して公演を終えた感想を明らかにした。舞台でヒット曲「赤い味」「バッドボーイ」の2曲を歌った彼女たちは、「息を切らしながら(公演を)するので観客が笑いながら拍手してくれた」とし、「反応がなくても私たちの歌をお見せするのに最善を尽くそうと思っていたが、観客たちがたくさん反応してくれた」と笑った。この日の公演をサプライズ観覧した北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長は、公演を終えた歌手たちと会い「私がレッドベルベットを見に来るか関心が多かったが、もともとは明後日(3日の公演に)来るつもりだったが日程を調整して今日来た」と話したという。レッドベルベットは「これからも南北交流行事に呼んで下されば引き続き参加したい」と話した。
息つく間もなく進められた公演の準備過程の裏話も伝えられた。1日の公演に先立ち、芸術団の宿舎の高麗ホテルで取材陣に会った政府支援団関係者は「PSY(サイ)の公演を推進したが、こちら(北朝鮮)が考える構想にはきわ立ちすぎ、防弾少年団は日程のため参加できなかった」と、出演陣交渉の裏話を明かした。また、今回の公演に関心を持って参加してくれた歌手たちに感謝を示した。「三池淵管弦楽団で南の国民の情緒を反映した曲を歌った方々、平壌(公演)の経験がある方、多様なレパートリーをお持ちの方を中心にリストを作った」とし、デビュー50周年記念公演を準備中だったチョ・ヨンピルをはじめとする歌手たちが各自の日程を無理して調整し参加してくれたと話した。同関係者は「(先月31日)昼1時半から(1日)早朝2時まで、12時間以上のリハーサルが行われた」とし、「チョ・ヨンピルなどの歌手たちが喉頭炎と風邪などで調子が良くなかった」と明らかにしたりもした。
先月、北朝鮮の三池淵管弦楽団のソウル公演の舞台に上がった少女時代のソヒョンの出演の背景についても明らかにした。同関係者は「いろいろな歌手に提案したが、本人の歌を歌えず三池淵管弦楽団の固有レパートリーに合わせて2曲歌うというこちらの条件で、やると言ってくれたのがソヒョンさんだった。本当にありがたかった」と話した。
公演後、取材に応じたチェ・ジンヒは2日、自分の歌ではないヒョニとトギの「手遅れの後悔」を歌うことになった背景を伝えた。「『愛の迷路』や他の歌も歌いたかったが、準備する側がこの歌を歌うようにと言った」とし、「私の歌でもないのにどうして歌わなければならないのか理解できなかったが、昨日、金正恩委員長が降りてきて私と握手しながら『その歌を歌ってくれてありがとう』と言われ、やっとなぜこの曲を歌ってくれと言われたのか分かった」と話した。
南側芸術団は3日午後4時(韓国時間4時30分)、柳京鄭周永体育館で、南北合同公演を披露する。1万2000席の座席はすべて満席になることが分かった。政府関係者は「ヒョン・ソンウォル三池淵管弦楽団長の言葉を借りれば『わが民族の心臓を熱く揺さぶ』らせる何かを見せるために、南北演出チームが額をつきあわせている」と伝えた。テコンドー示範団を含めた訪朝芸術団190人余りは公演を終えるこの日の夜、ソウルに帰国する予定だ。