本文に移動
全体  > 文化

益山,王宮里塔 主人は後百済でなく百済?

原文入力:2009-03-22午後09:19:18
舎利壮厳具, 弥勒斜塔のものと類似…築造年代 論争
百済説:“紋様・基壇部構造 似ている”
後百済説:“字体が異なる…継承と見なければ”

ノ・ヒョンソク記者

←益山,王宮里五層石塔とその中から出た舎利具らが7世紀百済,弥勒寺の西塔・舎利具と同じ時代に作られたものかについて、学界の論争が熱くなる兆しを見せている。左列写真らは弥勒寺塔と十字型の内部基壇部の姿,去る1月塔内から発見された舎利壷表面の三ツ葉型・魚子紋(写真左列の上・中央・下)であり、右列写真らは王宮里塔と1965年解体修理当時の基壇部の姿,塔内から出た舎利内箱の三ツ葉型,魚子紋(上・中央・下)だ。

薯童と善花公主の愛が歴史的事実かという論議を呼び起こした全北,益山市,弥勒寺石塔の百済舎利壮厳具(釈迦または高僧の舎利を祀る瓶や壷,装飾箱の一切)発見が学界にまた別の論争の種を生んでいる。

弥勒寺から近距離にある王宮里五層石塔(国宝289号)と1965年この塔の解体修理当時に仏像と一緒に発見された舎利瓶,舎利箱,金剛経(仏経)黄金銘板(国宝123号)等が論争の核心だ。

これら遺物は8~9世紀、統一新羅・高麗時代製作説が有力だったが、弥勒寺舎利具発見を契機に通説が挑戦を受けることになった。舎利具に装飾されたレンゲ紋と魚子紋(小さい円形の紋)等の主要紋種類とデザイン手法などが7世紀百済の弥勒寺舎利壮厳具と相当に似ており、塔の基壇部構造も弥勒斜塔と一致しているという説が提起されているためだ。

初めて論争の口火を切ったのは国立中央博物館のチョ・ウォンギョ学芸士。彼は今月初め出てきた忠南大,百済研究所の学術誌<百済研究> 49号に‘王宮里五層石塔発見舎利壮厳具に関する研究’という論文を載せ、「弥勒寺舎利具発見にもかかわらず、王宮里塔舎利具らは約900年頃の後百済人によって作られた百済系作品と見る」と明らかにした。チョ氏は「二つの舎利具は安置場所,蓮華模様の表現,製作手法などに深い影響関係があるものの同時代の作ではない」と断定した。論文はその根拠として△王宮里塔舎利具が弥勒寺跡のものより容器模様や模様表現方式が単調で野暮ったく手技が劣る点△舎利箱の場合、仏国寺など統一新羅の舎利箱様式を単純化し継承している点△金剛経を刻んだ金版の場合、刻まれた文字が弥勒寺跡舎利奉安記よりもう少し発展した後代楷書体という点などを挙げた。

これに対して、2004年王宮里塔舎利壮厳具が百済のものという主張を論文で提起したハン・ジョンホ東国大博物館学芸士は正反対の見解を出した。彼は22日、国民大で新羅史学会主催で開かれた学術大会で‘王宮里五層石塔と舎利壮厳具研究’という論文を通じて「舎利壮厳具はもちろん石塔も7世紀百済のもの」という破格的主張をして立った。

彼は「弥勒寺金製舎利壷と比較してみる時、王宮里金製舎利内箱,金剛経板内箱などの紋は、魚子紋はもちろん葉3ヶが出た蓮の花びらを巡らせた模様イメージなどがほとんど全く同じで、細部的には高句麗眞坡里古墳壁画などのイメージも継承している」として「7世紀の他の百済,日本の装飾工芸品などにも類似した紋が10ヶ以上発見されているだけに百済時代であることが明らかだ」と主張した。彼は併せて王宮里塔が統一新羅の末期若しくは高麗初めに百済の時の木塔を崩した場所に建てたという通説も否定し、「石塔内部構造が弥勒寺石塔の内部構造を事実上縮小して移したものと分析される」と付け加えた。

こういう主張の根拠は、1965年王宮里塔を解体補修した当時あらわれた基壇部構造と2000年代初めから国立文化財研究所が解体中の弥勒寺西塔の基壇部構造がほとんど差がないという仮定に基づく。解体過程で心礎石周囲から十字形の通路型構造があらわれた弥勒寺西塔のように王宮里五層石塔もまた四ヶの柱である四天柱と心礎石の間に十字路型構造があらわれ、その底に板石が敷かれていたのもまた似ていたということだ。

他の学界関係者たちは概して慎重論を展開している。仏像研究者のチェ・ソンウン徳成女子大教授は「舎利壮厳具の紋の類似性は注目されるが、王宮里塔で一緒に出てきた仏像は年代が9~10世紀の後百済,統一新羅期のものなので、仏像の年代が合わない根本理由が明快に解明されなければならない」と指摘した。キム・ソンボム国立羅州文化財研究所長も「王宮里塔の場合、木塔を建てるために基壇の下を地固めした痕跡(板築層)が明確にあらわれているので、木塔,石塔の仕組みに対する深層的理解と交感が前提にならなければならないだろう」と話した。

一方、円光大馬韓百済研究所と百済学会も来月24~25日弥勒寺出土遺物を主題にした学術大会で王宮里塔,舎利具の年代問題を議論する。90年代初めから王宮里塔の百済時代建築説を主張してきたカン・ウバン前梨花女子大教授とチュ・ギョンミ(釜慶大),イ・スンナン(文化財庁),ハン・ジョンホ氏など主要研究者らが提案・討論者として参加する予定なので成果が注目される。

ノ・ヒョンソク記者nuge@hani.co.kr,写真文化財庁提供

原文: https://www.hani.co.kr/arti/culture/culture_general/345579.html 訳J.S