キム・ゴンヒ氏のドイツモーターズ株価操作事件などを審理した控訴審は、キム氏の株価操作をめぐる共謀を認め、有罪判決を下した。また、キム氏が夫の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の就任前に受け取ったブランド物のバッグが賄賂であることを認めた。一審は公訴時効の成立などを理由に株価操作容疑を無罪とし、大統領就任前に贈られた物は「当選祝い」だとのあきれた理由で免罪したが、控訴審はそれを覆したのだ。
ソウル高等裁判所刑事15-2部(シン・ジョンオ裁判長)は28日、キム氏に対し懲役1年8カ月の判決を下した一審を破棄し、懲役4年を言い渡した。同高裁は「国民が大統領夫人に課した清廉、道徳の義務を裏切り、その地位を利用した犯罪で深刻な国論の分裂と対立を招いた」と厳しく非難した。同高裁は、キム氏が2010年からドイツモーターズのクォン・オス元会長らの主導した相場操縦に加担していたと判断した。株価操作の一味と利益を一定の割合で分配し、自身の保有する株を高値で大量に売却したら共犯者がそれを買い取るという「なれ合い取引」で不当な利益を得ていたと判断した。キム氏は犯行を主導していたわけではないが、クォン・オス一味の相場操縦を漠然と知っていただけでも罪が認められると述べた。
同高裁は、キム氏のなれ合い取引があった2010年10~11月から、共犯者たちの犯罪が相次いでいた2012年8月までの犯罪行為を、一つの犯罪意図(株価操作)の下に行われた「包括一罪」と判断した。共犯者の起訴(2021年10月)を基準として、公訴時効(10年)が成立していないと判断したのだ。一審(ウ・インソン裁判長)はキム氏の共謀容疑に対し、明確ななれ合い取引の期間は包括一罪から分離し、公訴時効が成立していると判断していた。まるでキム氏を目こぼしすることを決めていたかのように、包括一罪ではないと判断したのだ。
一審は、キム氏が大統領就任式の1カ月前に受け取ったシャネルのバッグについて、「明示的な請託」はなかったとの理由で無罪とした。一方、控訴審は「大統領就任式の1カ月前であっても、旧統一教会側が大統領選挙支援の代価を要求してくることは予見できた」と述べた。大統領を意識して渡された賄賂を、就任式の前だとして賄賂ではないと判断することが、果たして国民の常識にかなっているのか。
同高裁の指摘する通り、キム氏の犯罪をめぐって韓国社会は激しい対立を経験した。何よりも検察の責任は大きい。大統領が元検事総長だとの理由でキム氏を目こぼししたせいで、国論が分裂する事態に至ったのだ。キム氏の事件は検察改革がなぜ必要なのかをよく示している。