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韓国検察、文在寅元大統領を収賄容疑で起訴…最大野党「明らかな政治的報復」

登録:2025-04-25 06:46 修正:2025-04-25 07:14
文在寅元大統領=カン・チャングァン先任記者//ハンギョレ新聞社

 文在寅(ムン・ジェイン)元大統領の元婿の特恵採用疑惑を捜査中の韓国検察が、文元大統領を賄賂容疑で起訴した。最大野党「共に民主党」の関係者たちは「明らかな政治的報復」だと批判し、一部は検察の完全解体などを主張した。

 全州(チョンジュ)地検刑事3部(ペ・サンユン部長)は24日、特定犯罪加重処罰などに関する法律違反(賄賂)の疑いで、文元大統領を在宅起訴し、イ・サンジク元国会議員も贈賄罪および業務上背任罪で在宅起訴した。文元大統領の娘と元婿は不起訴処分(起訴猶予)にした。2021年12月の市民団体告発以来、約3年5カ月が過ぎてからの起訴だ。

 文元大統領は2018年8月から2020年4月まで元婿のS氏(45)をイ元議員が実所有主として知られた「タイ・イ―スター航空」に就職させ、給与1億5200万ウォン(約1510万円)余りと住居費名目の6500万ウォン余りなど、約2億1700万ウォン(約2160万円)を受け取らせた疑いが持たれている。

 検察はイ元議員が2018年3月に中小ベンチャー企業振興公団理事長に任命されたことと、航空業の経歴のない文元大統領の元婿のS氏がタイ・イースター航空の専務理事として採用されたことの間に、贈収賄の関連性があるとみて、捜査を進めてきた。検察はS氏が特恵で採用され、S氏が受け取った給料なども正常の給与ではなく、文元大統領の賄賂とみなした。 特に検察は文元大統領が大統領として「包括的権限」を行使したと判断した。

 しかし、婿が受け取った給料と支援金も賄賂とみるべきかについては、検察の強引な起訴という指摘もある。民主党の前政権政治弾圧対策委員会はこの日午後、国会疎通館で緊急記者会見を行い「12・3不法戒厳という尹前大統領のあきれた犯罪のために行われる早期大統領選挙を控え、検察が再び政治的動きを始めた」とし、「文元大統領とその家族、関連者たちを苦しめ、恥をかかせ、侮辱するのが目的」だと主張した。

 文元大統領は、政権当時に大統領府国政状況室長を務めた民主党のユン・ゴニョン議員が公開したメッセージで、「とんでもなく、荒唐無稽な起訴」とし、「尹前大統領の起訴と弾劾に対する報復性の起訴に他ならない」と述べた。さらに「法廷で真実を明らかにすることを越え、検察の捜査権乱用を明らかにする契機とする」とし、「(検察に対する)刑事告訴はもちろん、検察改革の機会とみなす」と述べた。

 民主党の大統領選予備選挙候補らも、検察の強引な起訴を批判する立場を示した。イ・ジェミョン候補陣営は「前政権に対する弾圧であり、明らかな政治的報復とみられる。検察は不当な起訴を直ちに中止すべきだ」と述べた。キム・ギョンス候補はフェイスブックへの投稿で、「政治検察としての振る舞いをとうてい見ていられないほど」だとし、「起訴権だけを残して捜査検察、政治検察は完全解体すべきだ」と綴った。キム・ドンヨン候補はこの日午後、記者団に「罷免された内乱首謀者に抗告さえできない検察が、文在寅元大統領に対しては狂気の刃を突き付けた」と批判した。

チョン・ギョンソク、コ・ギョンジュ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1194122.html韓国語原文入力:2025-04-24 22:03
訳H.J

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