本文に移動
全体  > 経済

韓国で借金返済できずに競売にかけられた不動産は昨年10万5千件…9年ぶり最多

登録:2024-01-28 19:55 修正:2024-01-29 06:41
ソウルの市民が南山から市内を眺めている/聯合ニュース

 韓国の不動産市場の低迷と高金利の影響で、昨年金融機関からの借金を返済できずに競売にかけられた不動産が9年ぶりに最多に達した。

 28日、裁判所の登記情報ポータルサイト「登記情報広場」の統計によると、昨年の不動産(土地、建物、集合建物など)任意競売開始決定登記申請件数は計10万5614件で、2022年に比べて61%増えた。この申請件数が10万件を超えたのは2014年(12万4253件)以来9年ぶりだ。

 任意競売は、不動産を担保に借金をした債務者が借りた元本と利子を適時に返済できない場合、債権者が貸金回収のために不動産を競売に付す手続きだ。一般的に銀行などの金融機関が債権者である場合、任意競売が行われる。

不動産任意競売登記申請件数の推移 資料:裁判所不動産登記広場//ハンギョレ新聞社

 昨年、任意競売開始決定登記が申請された不動産のうち、集合建物(マンション、オフィステル、多世帯住宅など)は3万9059件に達した。これも前年(2万4101件)に比べて62%急増した数値だ。2020~2021年の低金利の時期に無理に融資を受けて家を買ったいわゆる「ヨンクル族」たち(霊魂までかき集めるを縮めた言葉で、無理を承知で全力を尽くす意)が高金利に耐え切れず、住宅が競売に付されたとみられる。また、伝貰(チョンセ・契約時に高額の保証金を貸主に預けることで月々の家賃は発生しない不動産賃貸方式)詐欺被害住宅のうちの相当数も任意競売にかけられたと推定される。

 昨年の集合建物の任意競売登記申請件数を市道別に見ると、京畿道が計1万1106件で前年(5182件)に比べ114.3%増加し最も多かった。特に、京畿道内でも伝貰詐欺が多かった水原市(スウォンシ)は、前年(352件)より181%急増した990件を記録した。京畿道に次いでソウルが74.1%増えた4773件を記録し、釜山が105.4%増えた4196件でその後に続いた。

 今年も住宅を中心に任意競売の増加傾向は続く見通しだ。不動産の競売・公売データ専門企業「GGオークション」のイ・ジュヒョン先任研究員は、「金利が依然として高い水準であり、不動産市場の萎縮で取引もうまくいかない状況」だとし「住宅価格の上昇期に無理に融資を受けて住宅を購入し、元利金の返済負担に耐えられなくなった人たちの任意競売物件は続けて増えるだろう」との見通しを示した。

チェ・ジョンフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/property/1126219.html韓国語原文入力:2024-01-28 17:38
訳J.S

関連記事