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ガザ南部空爆したイスラエル、境界線の変更を示唆…米国「現状変更に断固反対」

登録:2023-12-04 08:23 修正:2023-12-04 09:41
3日(現地時間)、ガザ地区南部のハンユニスで、イスラエル爆撃で死亡した犠牲者に対する追悼式が執り行われている。イスラエルとハマスの一時停戦が終わった後、空爆が再開され、民間人を守るべきという国際社会の声が高まっている=ハンユニス/AFP・聯合ニュース

 米国がガザ地区で戦闘を再開したイスラエルに、民間人保護に向けた努力をしなければ「戦略的敗北」に直面すると警告した。米国はイスラエルに対する変わらぬ支援を強調しているが、イスラエル軍の戦争の進め方と現状変更の試みについては警告している。

 ロイド・オースティン米国防長官は2日(現地時間)、カリフォルニアで開かれた「レーガン国防フォーラム」での演説で、「この種の戦闘で中心となるのは民間人だ」とし、「民間人を敵の懐に追い込めば、戦術的勝利を得られたとしても、戦略的には敗北する」と述べた。

 オースティン長官は、米国が経験したイスラムスンニ派原理主義武装組織「イスラム国(IS)」との戦闘を挙げ、民間人保護の重要性を強調した。オースティン長官は「ハマスのようにISは市街地の奥深くにあった」とし、「ISと対戦した国連軍は最も激しい戦闘中にも民間人保護および人道回廊を作ろうと努力した」と語った。さらに「市街戦で民間人を保護して勝利したというのが教訓ではない。民間人を保護してこそ勝利を収められるというのが教訓だ」と強調した。

 カマラ・ハリス米副大統領は2日、米国はガザ地区の住民をガザ地区の外に追い出したり、ガザ地区の境界を変えることには断固反対すると述べた。

 ホワイトハウスは同日、ハリス副大統領がアラブ首長国連邦(UAE)のドバイでエジプトのアブドルファタハ・シシ大統領と会談した後に出した声明で、「米国はいかなる環境でもパレスチナ住民をガザやヨルダン川西岸地区から強制的に移動させることを認めないことを、副大統領は繰り返し明らかにした」と伝えた。ハリス副大統領はまた、イスラエルが戦争が終わった後、ガザ地区内にいわゆる「緩衝地帯」を作ってガザ地区を縮小することへの反対を表明した。ホワイトハウスは声明で、米国は「ガザ地区境界線の再設定」を認めないと明らかにした。

 これに先立ち、イスラエルのエリ・コーヘン外相は「ガザの境界線は戦争が終わった後、さらに少なくなる可能性がある」と述べた。これと関連してイスラエルのマルク・レゲブ首相補佐官は2日、「ハマス以降の現実で、イスラエルは予測可能な未来の全般的な安保統制を維持する」とし、「それは安全地帯を設けることであり、これを通じてイスラエルに入って我が国の住民を殺そうとする者の能力を制限するために、地上での特別な状況を作ることだ」と述べた。イスラエルは既存のガザ地区とイスラエルの境界線からガザの内側に最大1キロメートルまで新たな境界線を引き、その間を緩衝地帯にするという案を考慮している。

 一方、イスラエル軍はハマスとの7日間の戦闘休止が終わった今月1日に戦闘を再開し、難民が集まったガザ地区南部も攻撃している。イスラエル軍は1日夜と2日未明にガザ地区南部最大都市ハンンユニスの50の目標物を空爆したと明らかにした。

 イスラエル軍は10月7日のハマスとの戦争開始後、ガザ地区北部を集中攻撃し、北部住民に南部に退避するよう求めてきた。このため、ガザ地区住民220万人余りのうち80%がハンユニスを含む南部に退避したものと推定される。

 ところが、イスラエル軍は最近、ハンユニスなどの攻撃を強化し、この都市に避難してきた住民を再び都市基盤施設のない地域に避難させ、臨時難民キャンプを作るよう圧迫している。イスラエルのこのような戦略は、ガザ地区の住民をガザ地区外のエジプトなど外部に追い出すためという疑惑を生んでいる。

チョン・ウィギル先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1118862.html韓国語原文入力:2023-12-03 21:40
訳H.J

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