11日、ソウル江西区長の補欠選挙で、野党「共に民主党」のチン・ギョフン候補(56)が当選した。来年4月の総選挙を控えて首都圏の民意を予測する尺度とみなされ、「尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領対イ・ジェミョン共に民主党代表」の対決構図で行われた選挙で、「尹錫悦政権審判論」に軍配が上がった。補欠選挙の原因を提供した当事者のキム・テウ前区長(48)を候補に立てて惨敗した与党「国民の力」は、「無理な公認」の責任論と総選挙前の刷新論に直面するものとみられる。
開票が完了した結果、チン・ギョフン候補は56.52%(13万7065票)を獲得し、39.37%(9万5492票)を記録したキム・テウ候補を約17ポイント差で引き離し圧勝。チン候補は昨年6月、警察庁次長を最後に退任した後、8月に民主党に入党し戦略公認された。今回の補欠選挙は、事前投票率が22.64%と過去の再・補欠選挙の中で最も高かったが、これを含む最終投票率は48.7%に止まった。これは昨年6月の地方選挙の江西区投票率(51.7%)より低く、4月の慶尚南道昌寧郡(チャンニョングン)郡守補欠選挙の投票率(57.5%)より低い。
拘束令状の棄却に続き、「尹錫悦政権に対する審判」を掲げて今回の選挙の勝利まで手にした民主党のイ・ジェミョン代表は、当分の間は安定した党内リーダーシップを確保できる見通しだ。イ代表はチン候補の当選が確実視された直後、フェイスブックへの投稿で「国民の偉大な勝利であり国政失敗に対する厳重な審判」だとし、「民主党の勝利とは考えていない。政治の覚醒と民間経済の回復を命じる国民の厳しいムチだ」と述べた。
一方、首都圏の冷ややかな民意を確認した与党は、内外から責任追及とともに刷新すべきという激しい要求に直面する見通しだ。江西区が野党支持の強い地域という点を考慮しても、17ポイント差の惨敗は無理な公認が原因という批判の声があがるものとみられる。尹大統領は、執行猶予の確定判決を受けて区長職を失ったキム候補を8月に赦免して復権させ、出馬の道を開いた。国民の力指導部も大統領室の顔色だけをうかがってキム候補を公認したという批判を免れないものとみられる。
国民の力はユ・サンボム首席報道担当の名前で党の立場表明文を出し、「江西区民と国民が国民の力に送った厳しい叱責を重く受け止め、改革課題を迅速に履行し、国民の目線に合う新しい大韓民国を作る」とし、「より謙虚な姿勢で国民の皆さんにまず歩み寄る党になる」と明らかにした。