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反中・反ロのNATOの「アジア戦略」に歩調合わせるか…韓国政府、ITPP締結

登録:2023-07-12 06:26 修正:2023-07-12 08:07
尹錫悦大統領が11日(現地時間)、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議が開かれたリトアニアのビリニュスで、NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長と会談し、国別適合パートナーシップ計画(ITPP)を締結した後、記念撮影を行っている=大統領室写真記者団//ハンギョレ新聞社

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は11日(現地時間)、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議が開かれるリトアニアのビリニュスで、イェンス・ストルテンベルグNATO事務総長と会談し、サイバー防衛、新興技術など安全保障関連11分野の連携を制度化するための「国別適合パートナーシップ計画(ITPP)」を結んだ。韓国とNATOによる安全保障協力の強化は中国とロシアに対するけん制の性格を帯びており、「アジアへの拡張を目指すNATOの計画を手助けするもの」という批判がある。

 尹大統領は同日、ビリニュスの「LITEXPO」でNATO事務総長と会談し、「大西洋の安全保障とインド太平洋の安全保障が密接につながっている状況で、大韓民国と日本、オーストラリア、ニュージーランドのようなインド太平洋地域国家とNATOとの緊密な連携がいつにも増して重要だと考える」と述べた。ストルテンベルグ総長は「北朝鮮の核とミサイルによる脅威もNATO同盟と全世界に非常に大きな影響を及ぼす」とし、「皆がルールに基づいた国際秩序を守っていかなければならない」として、連携の意志を示した。

 韓国政府がITPPでNATOと締結した協力分野は、実務・高官級の政務・軍事分野の定例会議などが含まれた「対話と協議」▽対テロ▽軍縮・拡散防止▽国防分野の相互運用性のための実質協力など。韓国は2019年、NATOと「国別パートナーシップ協力計画(IPCP)」を結んだが、ITPPはこれをさらに格上げし、範囲も拡大したもの。

 尹大統領はまた、韓国の「国際サイバー訓練センター」設置構想などについて説明し、NATOのサイバー防衛協力センター(CCDCOE)との協力を期待すると強調した。尹大統領はNATOと情報共有を画期的に強化する案についても話し合ったと、大統領室は明らかにした。

 専門家たちは、NATOとの連携強化は韓国にとって実利があまり大きくないとみている。北韓大学院大学のキム・ドンヨプ教授はこの日ハンギョレに対し、「NATOは日本に連絡事務所を設置しようと試みるなど、アジアに拡張しようとする意志があるが、韓国も歩調を合わせようとしている」とし、「韓米日軍事同盟とは異なり、NATOとの協力を通じて韓国が実質的に得られる安全保障上の利益がなく、むしろ反中・反ロ戦線に参加することになる。懸念すべきことだ」と語った。韓東大学のキム・ジュンヒョン教授も「NATOは昨年から中国とロシアをけん制する性格が強くなったが、韓国も価値観同盟という名のもとでこのような流れに便乗しようとしている」とし、「尹錫悦政権は価値観を共にする国と軍事的に連携することを重要視しており、NATOとの連携も強調しようとしているものとみられる」と話した。

 一方、尹大統領はNATO首脳会議初日の同日午前、ビリニュス市内のあるホテルでNATOオブザーバーグループとして出席した米上院議員6人と面会した。この場で尹大統領は「韓米同盟が真の『グローバル包括的戦略同盟』に発展し、同盟の舞台が拡大していることを示している」と述べた。尹大統領は続いてノルウェーやポルトガル、オランダなどの首脳と2国間会談を行い、安全保障とサプライチェーン協力案について話し合った。

 尹大統領は同日未明、ビリニュスの滞在先周辺を散歩する際、天安艦の正式名称である「PCC772」と書かれた帽子を着用したと大統領室が明らかにした。尹大統領は先月20日、フランス・パリ訪問の際も、滞在先の周辺を散歩する際、天安艦のロゴの入ったTシャツと帽子を着用した。

ビリニュス/キム・ミナ、シン・ヒョンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1099713.html韓国語原文入力:2023-07-12 02:45
訳H.J

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