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韓中対立激化…大使呼び出した「抗議合戦」に続き「反感」あらわに

登録:2023-06-13 06:28 修正:2024-05-08 07:52
尹錫悦大統領と中国の習近平国家主席が昨年11月15日、インドネシアのバリで会って握手を交わしている/聯合ニュース

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の「米国傾倒」の外交政策に対し、中国が公の場で批判の声を上げて以来、韓中の対立が連日激化している。両国政府が先を争って互いに対する反感をあらわにしたことで、対立が一層深まっている。

 大統領室は12日、ケイ海明駐韓中国大使に向けて「架け橋の役割が適切でない場合は、本国と駐在国の国家的利益に害を及ぼしかねない」と強く批判した。大統領室の主要関係者は同日、ソウル龍山(ヨンサン)大統領室で行われたブリーフィングで、中国大使に関する質問に対し、「大使というポストは本国と駐在国をつなぐ架け橋のような役割を果たすものだ」とし、このように答えた。

 また「外交部が韓国の立場を十分に伝え、中国駐在韓国大使館でも立場を示したため、大統領室から特に追加する立場表明はない」としつつも、「ただし、ウィーン条約第41条は、駐在国の法令を尊重するよう義務付けている。同条項には外交官が駐在国の内政に介入してはならないという規定もある」と述べた。ケイ大使が同条約に違反したと主張したのだ。これに先立ち、ケイ大使は8日、共に民主党のイ・ジェミョン代表と面会し、「中国の敗北に賭ける人々は後で必ず後悔するだろう」と述べ、尹錫悦政権の米国一辺倒の外交政策を批判した。

 ケイ大使の発言が「内政干渉」だという声は、与党「国民の力」からも相次いであがった。ユン・ジェオク院内代表は「中国が礼儀をわきまえない隣人として内政に干渉し、韓国の国家的プライドを傷つけた場合、主権国家として取るべき措置を断固として取ることを与党として(政府に)求める」とし、「発言の張本人であるケイ大使と中国政府の責任ある謝罪を強く求める」と述べた。クォン・ソンドン議員は「内政干渉には断固たる意志を示さなければならない」とし、約10万人に達する韓国在住中国人の地方選挙投票権を制限すべきだと主張した。

共に民主党のイ・ジェミョン代表(左)が8日夕方、ソウル城北区の中国大使官邸でケイ海明駐韓中国大使と会っている=国会写真記者団//ハンギョレ新聞社

 ただし、韓国政府はケイ大使を「好ましからざる人物(ペルソナ・ノン・グラタ)」に指定する案には慎重な態度を示した。大統領室関係者は、与党の一部のこのような主張について、「まだ決まったことはない」と述べた。ハン・ドクス首相も同日午後、国会での対政府質問で「ケイ大使をペルソナ・ノン・グラタに指定して追放すべきだ」というキム・ソッキ議員(国民の力)の主張に対し、「駐韓中国大使の行動は非常に不適切だったと思う」とし、直接的な答弁を避けた。パク・チン外交部長官もこのような主張をするキム・サンフン議員に「すべての結果は新大使本人の責任になるという点を明確に警告した」と答えることにとどまった。

 中国外務省は、ケイ大使が「中韓関係発展のために活動している」とし、このような気流に強く対抗した。中国外務省の汪文斌報道官は定例記者会見で、「架け橋の役割が適切でない場合は、両国の利益に害を及ぼしかねない」という大統領室関係者の発言について、「各界各層の人々と広範囲に接触し交流するのはケイ大使の職務だ」としたうえで、「その目的は理解を深め、協力を促進し、中韓関係の発展を維持し進めていくことだ」と述べた。

 これに先立ち、韓国外交部が9日、ケイ大使を呼び出して厳重警告し、遺憾を表明したことに対抗し、中国外務省もチョン・ジェホ駐中韓国大使を呼び出して抗議した。尹錫悦政権発足以降、韓中外交当局間の「抗議合戦」は、4月に台湾問題について言及した尹大統領のロイター通信とのインタビューを機に起きて以来、今回が2回目。

キム・ミナ記者、北京/チェ・ヒョンジュン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1095642.html韓国語原文入力:2023-06-13 02:41
訳H.J

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