尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が2日、核抑止力強化と台湾海峡の平和と安定の維持などを盛り込んだ韓米首脳会談の結果に不満を示した中国に対し、「(北朝鮮への)制裁に全く参加せず、私たちにどうしろというのか。私たちには選択の余地がない」と述べた。これは対北朝鮮制裁に対する中国政府の態度を激しく非難したもので、波紋が予想される。
10日で就任1周年を迎える尹大統領は同日、ソウル龍山(ヨンサン)の子ども庭園で大統領室担当記者団と会い、「(中国政府が)韓米ワシントン宣言と核を基盤に安保協力をアップグレードすることに異議を唱え批判したいなら、(北朝鮮の)核脅威を減らすか、少なくともこれに対する国連安全保障理事会(安保理)の制裁は国際法に従って守らなければならない。国際法の中でも重要なのが国連決議ではないか」とし、このように述べた。中国政府が国連の対北朝鮮制裁に積極的ではないという否定的な認識を示したのだ。
これに先立ち、中国政府は韓米首脳が両国間「核協議グループ(NCG)」を設けることで合意し、台湾海峡の平和と安定の維持を首脳会談共同声明に盛り込んだことに対し、「強い不満」を表明した。尹大統領は韓米核協議グループに関しては「すべて防御体系であり、攻撃体系といえるものがあるのか」と述べた。
さらに尹大統領は「韓国は技術であれ、商品であれ、中国に輸出統制を行っていない」とし、「中国が私たちに敵対行為をせず、互いに契約を正確に守って予測可能にし、相互尊重するなら、いくらでも経済問題を解決できる」と付け加えた。
尹大統領の発言で対中関係はさらにぎくしゃくする可能性が高い。北朝鮮大学院大学のヤン・ムジン教授は、本紙との電話インタビューで、「米中対立の中で朝鮮半島問題を安定的に管理する主導者は韓国であり、そのために周辺国に支持と協力を求めなければならない」とし、「中国に責任を押し付けるような態度は望ましくない」と述べた。