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「屈辱外交」韓国大統領室、韓米情報同盟に日本を含める可能性を示唆

登録:2023-04-17 09:48 修正:2023-04-17 16:04
尹錫悦大統領が14日、青瓦台迎賓館で開かれた「デジタルプラットフォーム政府実現計画報告会」で発言している=大統領室提供//ハンギョレ新聞社

 大統領室は、26日の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の米国国賓訪問で、韓米協力とともに情報共有を含む韓米日協力の強化を担保する成果を出そうと必死になっている。大統領室は「米中央情報局(CIA)による韓国国家安保室高官の盗聴疑惑」を韓米首脳会談の議題に上げる可能性は切り離したまま、「屈辱外交」の議論を呼んだ日本を韓米情報同盟に含める可能性を取り上げた。首脳会談まで残り10日のあいだに安保・経済・社会文化の領域で続く実務級交渉で、交渉の幅を広げるどころか、国益にともなう韓国政府の要求事項をきちんと伝えられるのか、懸念の声が上がっている。

 キム・テヒョ国家安保室第1次長は15日夕方、3泊5日の米国出張を終えて帰国する際、韓米日情報共有体系の拡大・強化あるいは新しい体系を作る案が韓米首脳会談で議論される可能性があると示唆した。仁川国際空港で記者団に応じたキム次長は、「(韓米)情報同盟をさらに堅固にし、どのパートナーを追加で招待するかについての議論が今後行われるだろう」と述べた。「韓米情報同盟に日本が含まれる可能性はあるか」という質問には「(その)可能性も高いが、段階的に、事案によって検討されると思う」と答えた。

 これと関連して、大統領室高官は16日、本紙に対し「まだ計画されたものはない」としつつも「韓米首脳会談の結果としてアクションが出る可能性がある」と語った。今回の韓米首脳会談で、情報共有を含む包括的サイバー安保協力に関する文書の採択が予定されるなか、日本を含む様々な協議体が稼動する可能性を開くような発言とみられる。

 現在、韓米日は米国防総省を媒介とする3カ国共有体系である情報共有約定(TISA)を運営しており、韓日間では軍事情報包括保護協定(GSOMIA)が正常化した状態だ。昨年11月、韓米日首脳はカンボジアのプノンペンで会い、「北朝鮮のミサイル警報情報を『リアルタイム』で共有する」という内容の「プノンペン声明」を発表した。その後、3カ国はTISAを改正し軍事情報共有体系を強化する案を議論してきた。

 キム次長は「今回の首脳会談で米国の盗聴疑惑は議題に含まれるのか」という記者団の質問に対しては「まだそのような計画はない」と答えた。また、米国側は自分に会うたびに遺憾を表明したとし、「(韓米)両国ともに、これを『災い転じて福となす』契機にし、信頼関係をもってより内実と成果のある首脳会談にするということで意気投合している状態だ」と付け加えた。「盗聴はあったが、米国が遺憾表明をしたからこれ以上問い詰めない」ということだ。

 しかし、盗聴疑惑が完全に解消されていない状況で米国との情報協力、日本を含む3カ国協力を強調することをめぐり、批判の声があがっている。野党「共に民主党」のカン・ソヌ報道担当は16日のブリーフィングで「盗聴問題をどうやって両国関係の『災い転じて福となす』契機にするということなのか、明らかにせよ」とし、「(盗聴疑惑が)首脳会談の議題に入らないというのは、韓国の主権が侵害された重大な事件に大統領が一言も抗議できずに済ませるということなのか。早くも『両国の信頼と信用を揺さぶるのはやめよう』と国民に低姿勢を強要しているのは呆れたものだ」と主張した。キム・ジュンヒョン元国立外交院長は本紙に対し「情報を共有するのは信頼に基づかなければならないが、盗聴疑惑問題をまともに解消できずに協力するというのはつじつまが合わない。韓米、韓米日協力に没頭して謝罪を受けられない姿は、主権国家の姿とはいえない」と指摘した。

キム・ミナ、シン・ヒョンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/1088108.html韓国語原文入力:2023-04-17 08:39
訳C.M

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