本文に移動

北朝鮮、再び武力示威…朝鮮半島に「危機の3月」到来か

登録:2023-02-21 06:20 修正:2023-02-21 07:26
北朝鮮が超大型放射砲2発を東海上に発射した20日午後、仁川市江華島両寺面の江華平和展望台から眺めた黄海道開豊郡光徳面一帯で、北朝鮮の住民たちが作業している姿が見える=キム・ジョンヒョ記者//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮は20日、米軍のB1B戦略爆撃機などを動員した韓米合同空中訓練(19日)に反発し、短距離弾道ミサイル2発を東海(トンヘ)に向けて発射した。18日に大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星15型」の高角発射で米国を狙った2日後に、韓国に狙いを定めた「オーダーメード型武力示威」を続けたわけだ。キム・ヨジョン朝鮮労働党中央委員会副部長は2日連続で実名談話を発表し、「太平洋を我々の射撃場として活用する頻度は、米軍の行動の性格にかかっている」と警告した。3月の韓米合同軍事演習まで朝鮮半島の緊張が続くものとみられる。

 北朝鮮の官営「朝鮮中央通信」は同日、「朝鮮人民軍の西部戦線長距離砲兵部隊の放射砲兵区分隊が、午前7時、600ミリ超大型放射砲を動員し、発射地点からそれぞれ計算された395キロメートルと337キロメートルの仮想の標的を設定し、東海上に2発の放射砲弾を射撃した」と報じた。北朝鮮は600ミリ放射砲について、「わが軍の最新型多連発精密攻撃兵器体系として、敵の作戦飛行場当たり1門、4発を割り当てるほどの恐るべき威力を誇る戦術核攻撃手段」だと主張した。

 韓米軍当局は、北朝鮮が「超大型放射砲」と呼ぶ600ミリ放射砲を短距離弾道ミサイルに分類している。韓国合同参謀本部は、北朝鮮が同日午前7時頃から7時11分頃まで平安南道粛川(スクチョン)一帯から東海上に発射した短距離弾道ミサイル2発を捉えたと発表した。

 北朝鮮はこの日の「超大型放射砲」の発射が、前日に行われた韓米合同空中演習に対する対抗であり、韓国の空軍基地を狙ったものだと明らかにした。朝鮮中央通信は「米国と南朝鮮の傀儡は19日、戦略爆撃機『B1B』とステルス戦闘機『F35』など10機余りを動員した連合空中演習を再び展開した」とし、「放射砲弾4発の爆発の威力で、敵の作戦飛行場の機能を麻痺させるほど焦土化することができる」と主張した。北朝鮮が明らかにした発射距離通りなら、忠清北道清州(チョンジュ)と京畿道烏山(オサン)、全羅北道群山(クンサン)にある韓国空軍と米空軍基地が射程に入る。 ここは前日、韓米合同空中演習に参加した両国空軍の戦闘機が離陸した場所だ。

 これに先立ち、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記兼国務委員長は、党中央委第8期第6回全員会議(2022年12月26~31日)の閉会日に行った「600ミリ超大型放射砲30門贈呈式典」での演説で、「(超大型放射砲は)南朝鮮全域を射程圏内に置き、戦術核の搭載まで可能なわが武力の核心的な攻撃型兵器」だと述べた。

 韓米両国が米国で22~23日(現地時間)に拡大抑止運用演習(DSC TTX)を、3月中旬から「2023フリーダムシールド(自由の盾)」合同演習を予定している中、北朝鮮はさらなる武力示威を繰り返し予告した。

 キム・ヨジョン副部長は20日、朝鮮中央通信に発表した談話で、「最近、朝鮮半島地域で米国の戦略的打撃手段の動きが活発になっている」とし、「我が国の安全に及ぼす影響関係を検討しており、何らかの懸念があると判断された場合、相応の対応に乗り出すことを改めて既成事実化したい。太平洋を我々の射撃場として活用する頻度は、米軍の行動の性格にかかっている」と警告した。これは、キム副部長が前日の談話で「敵対的な行動に対しては例外なくそれに相応する非常に強力で圧倒的な対応を実施する」と明らかにした「弾道ミサイル追加発射予告」を再確認したものとみられる。

イ・ジェフン先任記者、キム・ミナ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/1080503.html韓国語原文入力:2023-02-2100:42
訳H.J

関連記事