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「強制動員企業が一円も出さないなんて」…日本の市民社会も「解決策にならない」

登録:2023-01-17 06:03 修正:2023-01-26 11:04
岡本厚元「世界」編集長(左端から)、作家の中沢けい法政大学教授、矢野秀喜「強制動員問題解決と過去清算のための共同行動」事務局長が16日午後、東京千代田区の衆議院会館で強制動員問題と関連して記者会見を行っている=東京/キム・ソヨン特派員//ハンギョレ新聞社

 「被告企業は謝りもせず、償いとしては一円のお金も出さない案は解決とは呼べない」

 日本の市民社会が韓日関係の最大懸案である強制動員被害者賠償問題の解決策として、日本側の参加なしで第三者が補償する案が進められていることについて、強く批判した。元「世界」編集長の岡本厚氏や作家の中沢けい氏(法政大学教授)、「強制動員問題解決と過去清算のための共同行動」事務局長の矢野秀喜氏は16日午後、東京都千代田区の衆議院会館で強制動員問題と関連して記者会見を開き、このように批判した。

 12日、韓国外交部が公開討論会を開催し、企業の「自発的参加」を通じて資金を集め、日本の被告企業の賠償金(不法行為による精神的被害に対する慰謝料)を肩代わりして強制動員被害者に支給する案を解決策として公式化したことを受け、数十年間強制動員被害者を支援してきた日本の市民社会が記者会見を通じて問題点を強く指摘したのだ。

 彼らは和田春樹氏(東京大学名誉教授)など学者、弁護士、ジャーナリスト、市民社会の活動家94人が賛同した「被害者不在では『解決』にならない―『徴用工』問題で日本政府・日本企業に訴える」という題の声明を発表した。矢野事務局長は「日韓政府間で強制動員交渉が急速に進められている。被害者が納得しなければこの問題は解決できないという点を伝えたかった」と声明の趣旨を説明した。矢野事務局長は27年にわたって強制動員被害者の訴訟を支援し、日本政府と企業に謝罪と賠償・補償を求めてきた活動家だ。

 彼らは声明で「大法院(韓国最高裁)判決の当事者はあくまで日本企業。民事訴訟で強制労働を行った事実、その不法行為責任が認定されて(被害賠償の)判決が確定した」とし、「自ら(被告企業)の債務を他人に『肩代わり』してもらってそれで解決したことにはできない」と批判した。さらに「グローバル展開する大企業であればなおさら、『グローバル・スタンダード』である人権尊重の立場からも、積極的に問題解決と被害者の人権回復を図るべきだ」と指摘した。

 日本政府が1965年の韓日請求権協定で問題がすべて解決済みと主張していることについても批判の声をあげた。彼らは声明で、1965年以降に行われた1995年の「村山談話」(植民地支配と侵略戦争に対するお詫び)、1998年の「日韓パートナーシップ宣言」(植民地支配に対する痛切な反省と心からのお詫び)に言及し、「『徴用工問題』も終わったことだと済ませることはできない」と強調した。

 日本の市民社会は、何よりも数十年以上闘ってきた被害者が受け入れられない解決策は解決策にはならないと主張した。声明では、最高裁で勝訴したヤン・クムドクさん(三菱重工業の被害者)の「私は日本から謝罪を受けるまでは死んでも死に切れない」という発言や、イ・チュンシクさんの(日本製鉄の被害者)が「生きているうちに問題が解決されることを望む」という発言も取り上げられた。さらに「何よりも、強制連行・強制労働の被害者である原告たちが、(韓国政府が公開した)この『解決』案に納得していない。被害者を置き去りにした『解決』は、むしろ解決を放棄することである」と指摘した。

 記者会見に出た中沢教授は「日韓の間で新たな関係を結び直すことができる良い機会ができた。被害者が納得できる解決策を用意することが最も重要だ」と語った。岡本元編集長は「日本政府が『過去にお詫びしたからそれでいいのではないか』と言ってはならない」とし、「真のお詫びは事実を認め、謝罪と補償を行い、(過ちを)繰り返さないため努力すること」だと強調した。

東京/キム・ソヨン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/1075876.html韓国語原文入力:2023-01-17 02:45
訳H.J

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