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ルハンシク西部、第2のマリウポリとなるのか…民間人被害が急増

登録:2022-05-27 10:24 修正:2022-05-27 10:30
民間人の脱出が続いているウクライナ東部のドネツク州クラマトルスクで25日(現地時間)、2人の男性が爆撃で破壊されたマンションの残骸を片付けている=クラマトルスク/AFP・聯合ニュース

 ロシア軍がウクライナ東部ルハンシク州の中心都市であるセベロドネツクとリシチャンシク掌握のために集中攻撃し、民間人被害が急増している。これにより、南東部の港町マリウポリに続き、ルハンシク西部でも大規模な民間人被害が懸念されている。

 米国のCNNによると、ウクライナ大統領室は25日(現地時間)、ルハンシク州西部のセベロドネツク周辺で激しい戦闘が繰り広げられる中、ロシア軍が都市進撃を試みていると明らかにした。大統領室は声明を出し、ロシア軍の迫撃砲攻撃が絶えず、戦闘も激しく行われたとし、ロシア軍が砲撃支援を受けて市内への進撃を試みていると説明した。

 ロシア軍はセベロドネツクとリシチャンシク掌握のために兵士数千人を追加で投入したと、ロイター通信は報じた。ルハンシク州のセルヒ・ガイダイ知事は、「ロシア軍が迫撃砲攻撃ができるくらいセベロドネツクの近くに接近した」とし、「ロシア軍はどんな代価を払ってでも都市を掌握するために、ハルキウやマリウポリなど他の地域に駐留していた兵士まで投入している」と主張した。ロシアが両都市を占領した場合、ルハンシク州全体がロシア軍に渡ることになる。

 ロシア軍の攻撃がさらに激しくなり、民間人の被害も増えている。ガイダイ知事は、警察がリシチャンシクで戦争被害者らをひとまず共同墓地に集団埋葬するために遺体を収拾しているとし、これまでに150体が埋葬されたと語った。そして、共同墓地に埋葬された人々は戦争が終わった後、家族が別々に埋葬するものと説明した。

 ロシア軍はウクライナ軍の補給路遮断のため、セベロドネツクに通じる道路に対する攻撃も強化しているが、都市の住民に対する人道主義的支援は続いているとガイダイ知事は述べた。ロシア軍は同日、ドネツク州の交通の中心地であるポクロフスクの鉄道施設へのミサイル攻撃も行った。ロイター通信によると、セベロドネツク近くの都市であるドネツク州クラマトルスクでは、ロシア軍の攻撃が一時的に静まった間に住民たちの避難が続いた。都市を脱出するために列車に乗ったある住民は「家が爆撃に遭い、残ったものは何もない」と話した。

 ロシア軍は同日、北部ハルキウ州のバラクレヤ、中部ザポリージャ州の大都市クリビリフなどにもミサイル攻撃などを行い、両地域で民間人3人が死亡、数軒の住宅が破壊されたと、現地の政府関係者が明らかにした。

 国際社会がロシアのウクライナ穀物輸出遮断を強く批判する中、ロシアは西側の制裁が解除されれば穀物輸出を許可すると明かした。ロシアのアンドレイ・ルデンコ外務次官は、「西側が制裁を解除すれば、穀物輸出用の船舶が通れる人道主義的通路を開く準備はできている」と述べたと、インテルファックス通信が報じた。

 ルデンコ次官は「食糧問題解決のためには、ロシア産製品と金融取引に対する制裁解除を含む包括的なアプローチが必要だという点を我々は主張し続けてきた」とし、ウクライナ側が設置した魚雷除去も必要だと述べた。同氏は、西側の船舶がウクライナの穀物輸出用船舶を護衛することが発生した場合、「黒海状況が深刻に悪化するだろう」と警告した。ルデンコ次官は、穀物輸出問題を議論するため、国連と接触していると付け加えた。

シン・ギソプ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1044424.html韓国語原文入力:2022-05-2608:39
訳C.M

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