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韓国、家計負債が過去最大に…昨年112兆ウォン増加

登録:2021-01-15 01:16 修正:2021-01-15 18:24
市中銀行の貸付窓口/聯合ニュース

 昨年の銀行の家計への貸付の増加規模は、年間基準で初めて100兆ウォンを超えた。住宅購入や株式投資のための資金作りに、新型コロナウイルス感染症による生計資金需要が重なったためと見られる。

 韓国銀行(韓銀)が14日に発表した家計貸付統計によると、銀行の家計への貸付残高は、昨年末現在988兆8000億ウォン(約93兆6000億円)で、1年間で100兆5000億ウォン(約9兆5200億円)の急増を示した。2004年の統計作成開始以来、最大の増加幅で、朴槿恵(パク・クネ)政権が不動産景気浮揚に向け融資規制を緩和した2015年の増加額(78兆2000億ウォン、約7兆4100億円)をはるかに上回った。増加速度も速い。昨年の家計貸付増加率は5年ぶりに2桁台の10.2%を記録した。これは2015年(12.2%)、2006年(11.5%)、2005年(10.4%)に次ぐもの。

 信用貸しが大部分を占めるその他の貸付は、過去最大の32兆4000億ウォン(約3兆700億円)増となった。伝貰(チョンセ。契約の際に貸し主に一定金額の保証金を払い、月々の賃貸料は発生しない不動産賃貸方式)資金を含む住宅融資の増加額(68兆3000億ウォン、約6兆4700億円)も、2015年(70兆3000億ウォン、約6兆6600億円)以降で最も多かった。韓銀市場総括チームのユン・オクチャ課長は「住宅売買の増加と伝貰価格の上昇に加え、株式買収、生活資金需要などが複合的に作用して貸付が増えたものとみられる」と語った。

銀行の家計向け貸付の年間増加額の推移//ハンギョレ新聞社

 金融監督院がこの日発表した資料によると、ノンバンクを含む金融機関全体の昨年の家計への貸付は112兆ウォン(約10兆6100億円)の増。2019年の増加額(56兆2000億ウォン、約5兆3200億円)の2倍に達する。

 先月のみを見ると、銀行の家計への貸付は6兆6000億ウォン(約625億円)増で、史上最大の11月の増加幅(13兆7000億ウォン、約1兆3000億円)の半分にも及ばなかった。政府の信用貸し管理対策が実施され、その他の貸付の増加幅(4000億ウォン、約379億円)が急減したためだ。いっぽう住宅関連融資は6兆3000億ウォン(約5970億円)増となり、12月の増加幅としては過去最大となった。金融機関全体の家計への貸付の増加幅(8兆5000億ウォン、約8050億円)も11月(18兆7000億ウォン、約1兆7800億円)から大きく縮小した。

 昨年の企業向け融資も1年間で107兆4000億ウォン(約10兆2000億円)増となり、2009年の統計開始以来、最大の増加を記録した。先月は5兆6000億ウォン(約5300億円)減で、1年ぶりに減少へと転じた。年末の財務健全性の管理のため、企業各社が借入を一時返済するとともに、銀行も不良債権の償却を行った影響によるもの。ただ、個人事業者向け融資は、小商工人などの資金需要により、先月も1兆9000億ウォン(約1800億円)増となり、増加が続いている。

 専門家は、銀行融資の増加が今年は弱まると予想している。家計向けの信用貸し基準が強化されたうえ、コロナ拡散が落ち着くことで先制的な融資需要が減ると見ているからだ。ただ、市場の流動性拡大や資産価格の上昇の影響で、上半期中には融資増加は弱まらないと見込んでいる。金融当局はこの日、「今年第1四半期中に返済能力中心の審査慣行を定着させるための『家計負債先進化対策』を策定し、債務返済額比率(DSR、債務返済額が可処分所得に占める比率)管理基準を借主単位で段階的に転換し、家計負債の軟着陸を進める」と発表した。

ハン・グァンドク先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/finance/978758.html韓国語原文入力:2021-01-14 11:59
訳D.K

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