韓国の政府債務はまだ良好な一方、家計債務は非常に脆弱な状態であることが分かった。これは米国や英国、日本など主要国で家計債務よりも政府債務の割合が増えているのとは対比を成しており、コロナ禍の克服に向けて政府財政のさらなる役割が必要だという声が上がっている。
10日、国際金融協会(IIF)が先月集計した主要国の政府債務と家計債務の統計を見ると、昨年第3四半期基準で韓国の政府債務は対国内総生産(GDP)比45.9%だった。これは先進国平均の131.4%に比べてかなり低い数値で、同協会が比較可能なものとして提示した50カ国の平均値104.8%よりも低い数値だ。主要国別では、米国127.2%、英国130.1%、日本257.2%などで、大半が100%を超えた。新興国の中では、中国63%、インド80.2%、ブラジル93.1%などだった。
一方、家計債務では異なる様相が現れている。韓国の家計債務は昨年第3四半期に対国内総生産比100.6%で、史上初めて100%を超えた。これは主要国に比べてかなり高い数値だ。米国は同期間81.2%で、先進国平均は78%、50カ国平均は65.3%だった。IIFは1980年代初頭、国際負債危機に対応するために設立された団体で、現在70カ国以上の金融機関がメンバーとして参加しており、国際金融市場の分析において権威が認められている。
韓国を含めた主要諸国は、コロナ禍への対応過程で、政府債務が大幅に増加した。財源調達のために大規模な国債を発行した結果だ。ただし、韓国ではほかの国々に比べ、政府債務の増加幅が比較的少なかった。韓国の政府債務は新型コロナウイルスが広がりを見せる直前の2019年末、国内総生産の41.6%から、昨年第3四半期は45.9%へと約4.3ポイント増えた。同期間中、米国は25.3%増、英国は24.4%増、日本は27.4%増だった。先進国の平均増加幅は21ポイントであり、50カ国平均は15.9ポイントだった。新興国に分類される中国も9.3ポイント増えた。
専門家らは、今のような危機状況では政府がより積極的な役割を果すべきにもかかわらず、期待に及んでいないと指摘している。韓国金融研究院のチャン・ミン先任研究委員は「危機が発生すれば家計、企業、政府の経済3主体のうちいずれかが債務を負って経済を回復させなければならない」とし、「政府が中長期的財政健全性を損なわない範囲で政府支出をさらに増やし、家計や企業の負担を減らさなければならない」と述べた。