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チョ駐米韓国大使「南北関係と非核化とが常にまったく同じ速度で進むことは困難」

登録:2018-10-17 23:45 修正:2018-10-18 07:31
チョ・ユンジェ駐米韓国大使が16日、ワシントンで開かれたソウル-ワシントンフォーラムで基調演説をしている=駐米大使館提供//ハンギョレ新聞社

 チョ・ユンジェ駐米韓国大使は16日(現地時間)、「南北関係と非核化の過程が常に同じ速度で進むことはありえない」と話した。「韓国は北朝鮮の非核化より北朝鮮との関係改善に先走っている」という米国の憂慮に対して、政府の立場を明らかにした。

 チョ大使はこの日、ワシントンで世宗(セジョン)研究所と米外交協会(CFR)が共同主催したソウル-ワシントンフォーラムの基調演説で「南北関係の進展は、国際制裁の忠実な履行を含む非核化の過程と共に進行されなければならないというのが韓国政府の立場」ということを前提にした。チョ大使は、とはいえ南北関係と非核化が同じ速度で常に進むばかりではないとし、「一方のモメンタムが他方のプロセスを牽引し、好循環を作ることができる」と話した。

 彼は「南北関係が朝米対話より若干先に動く時、韓国がテコになり促進者の役割を果し、朝米間の膠着を突き抜けることができる」として、2回の南北首脳会談を例にあげた。チョ大使は「4月の南北首脳会談は、初の朝米首脳会談の踏み石を置き、9月の平壌南北首脳会談は朝米対話に活気を吹き込んだ」として「南北関係のトラックと非核化のトラックは、相互に追求しながら私たちを前に進み続けさせる」と話した。それと共に「同時に、南北協力は国際制裁の枠組みの中で推進される」と強調した。

 こうした言及は、南北首脳の4・27板門店宣言と9月平壌共同宣言の履行のための南北の措置に対して、米国政府と専門家グループから「南北がスピードを上げすぎている」として、苦々しく見ていることに対する反論だ。米国政府は、開城(ケソン)南北共同連絡事務所の開所(9月14日)を控えても「南北関係と非核化は共に進まなければならない」として牽制し、南北が11月末~12月初めに東・西海線の鉄道・道路連結着工式を開く事を15日に合意したことに対しても、同様な立場を繰り返し、制裁の遵守を強調した。

 チョ大使はまた、北朝鮮の非核化意志に対する米国内の疑問に関して、「南北米の3人の指導者が直接会って、非核化という共同目標を再確認し、北朝鮮が平壌共同宣言を通じて豊渓里(プンゲリ)の査察の許容および寧辺(ヨンビョン)核施設の永久的解体の意志を表明したことは、前例のない進展の機会を与える重大な措置」と話した。続けて「北朝鮮の非核化意志を試し、確認し続けていくことも重要だが、北朝鮮の追加的な重要措置を誘導し、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長本人が自ら約束したことを実現させるよう努力することが最善のアプローチ」と話した。また、終戦宣言に対する憂慮に対しても「法的拘束力のない政治的宣言だとして、停戦協定体制や韓米同盟、在韓米軍には影響が及ばない。金委員長も確実な理解を表明した」と説明した。

 この日のフォーラムには、韓国側から世宗研究所のパク・ジョンチョン理事長とぺク・ハクスン所長、キム・ジュンヒョン韓東大学教授、イ・グン・ソウル大学教授、ウィ・ソンナク元韓半島平和交渉本部長、チョ・ユンジェ駐米大使などが参加し、米国側からはスコット・スナイダー外交協会韓国プログラムディレクター、ロバート・ガルーチ・ジョージタウン大学教授、エバンズ・リビア元国務省東アジア太平洋首席副次官補、キャスリン・スティーブンス韓米経済研究所(KEI)所長、デービッド・マクスウェル米民主主義守護財団研究員などが参加した。

 この日、ニューヨークの駐国連韓国代表部では、国会外交統一委員会の国政監査が開かれた。この席で、チョ・テヨル国連駐在大使は、南北の鉄道・道路連結事業が安保理の対北朝鮮制裁に違反するかと尋ねた正しい未来党のチョン・ビョングク議員の質問に「判断の主体は国連安全保障理事会傘下の対北朝鮮制裁委」としながらも、「本格的に進行されれば違反の素地の要素があるだろう。今は着工するということであり、するということとは違う。プロセスが始まったまで」と話した。彼はまた、民主平和党のチョン・ジョンベ議員が「国連安保理や米国の対北朝鮮制裁に反することなく、南北の鉄道・道路連結事業と南北経済協力事業ができるのか」と尋ねると、「不可能だ」と答えた。彼は、鉄道・道路連結事業が制裁に抵触しないよう事前に措置をしなければならないという共に民主党のソン・ヨンギル議員の質問に「米国と緊密に協議している」と答えた。

 米国はこの日も「対北朝鮮制裁維持」を強調した。スティーブン・ビーガン国務省対北朝鮮政策特別代表はこの日、ロシアのモスクワで外務省のイーゴリ・モルグロフ、セルゲイ・リャブコフ両次官と会い、北朝鮮の最終的で完全に検証された非核化(FFVD)を達成するための努力について議論したと国務省が明らかにした。

 国務省は「ビーガン特別代表は、非核化プロセスが可能な限り早く進行されるようにし、また北朝鮮により明るい未来を提供する措置が可能なように、完全に調整された疎通を持続する必要があるとカウンターパートに強調した」と明らかにした。国務省はまた、米国は非核化進展のために強力で持続的な国連の対北朝鮮制裁履行につい、てロシアをはじめとする当事国と協力することに集中していると明らかにした。

ワシントン/ファン・ジュンボム特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/866160.html韓国語原文入力:2018-10-17 11:45
訳J.S

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