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【社説】バイナンスへの1兆円規模のハッキング、韓国の取引所は安全か

登録:2026-11-02 06:12 修正:2026-11-02 08:18
バイナンスのロゴが入ったイラスト/AFP・聯合ニュース

 世界最大の暗号資産取引所バイナンスで29日、63億ドル(約1兆円)が盗まれた。史上最大規模の暗号資産ハッキング事件だ。米連邦捜査局(FBI)は、北朝鮮のハッキング組織を黒幕と特定した。暗号資産は犯行の追跡が困難な上、韓国国内には被害者保護の法制度さえ十分に整備されていない。対策が急がれる。

 今回の事件はわずか20分で起きた。バイナンスは10億ドルの流出の兆候を察知した直後、100人規模の危機対応チームを編成したが、為す術がなかった。経営陣は被害額が膨らんでいくのをただ眺めるしかなかったという。ブロックチェーンは誰でも閲覧できる台帳であるため、外部のアナリストたちもリアルタイムで流出を目撃した。ステーブルコインの発行元が緊急凍結に乗り出したが、ハッカーたちはすでに約24億ドルを凍結不可能な資産に変えて持ち去った後だった。映画のようだが、これが現実だ。

 暗号資産は分散型台帳技術により、偽造・改ざんが事実上不可能であるという点を業界は強調してきた。しかし、台帳が安全だからといって、取引所まで安全であるとは限らない。出金や署名の権限がハッカーの手に渡れば、通常の手順を踏んで資金が流出してしまう。バイナンスの事故も、開発・運用エンジニアのノートパソコンへの侵入が発端と指摘されている。国境を越えて数分で資産を移動できるという利点は、犯罪者にも同様に適用される。さらに、人工知能(AI)を駆使した攻撃まで登場し、脅威は一層高まった。

 韓国も例外ではない。最近、銀行・証券・保険などの金融業界を席巻した連続ハッキング事件において、実際に資産被害が初めて確認されたのは暗号資産取引所だった。コインマーケット取引所のプラバンは、ホットウォレットのハッキングにより約1億ウォンの被害を受けた。これに先立ち、アップビットでは昨年11月、約445億ウォン相当の暗号資産が無断で送金されたことがある。暗号資産取引所は、電子金融取引法上、金融会社には該当しないため、銀行・証券会社レベルのセキュリティ規制の対象外となっている。ハッキング被害が発生しても、事業者の損害賠償責任の範囲や立証責任を定めた規定がないため、利用者が取引所の過失を立証しなければならない。保険・準備金の積み立て義務はあるものの、積み立て額は少なく、侵害事故を直ちに報告する義務さえもない。これを補完する「デジタル資産基本法」については、政府が年内の制定を約束したにもかかわらず、政府案すら確定できていない。

 暗号資産利用者の口座数は1100万件を超えた。セキュリティ管理の範囲を保管ウォレットから開発・運用環境や業務用端末にまで広げ、取引所のセキュリティ基準を金融機関の水準まで引き上げる必要がある。損害賠償責任や事故報告義務を明文化する立法も、これ以上先送りしてはならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1285237.html韓国語原文入力:2026-11-01 19:14
訳H.J

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