「今日からアメリカの偉大な再起が始まります」
3日(現地時間)に行われた米国中間選挙で民主党の勝利が確実になると、ハキーム・ジェフリーズ民主党下院院内総務はこう宣言した。彼は「アメリカ人は、過激主義も腐敗ももう沢山だという意思を明確に示した」とし、「これは民主党や共和党だけの勝利ではなく、アメリカの勝利だ」と述べた。
今回の中間選挙は、ドナルド・トランプ大統領と共和党に向けられた有権者の巨大な怒りに覆われた。高物価やイラン戦争、強硬な移民政策などへの不満が爆発し、選挙はトランプ大統領の2期目の政権に対する全面的審判へと帰結した。トランプ大統領が始めたイラン戦争で、軽油の価格は1年前に比べて70%も急騰し、関税の賦課で製品価格が上がったため、支持層さえも背を向けたのだ。その結果、民主党は連邦上下両院の多数党をすべて奪還し、共和党の永年の牙城でも相次いで勝利を収めた。
「アングリー・トランプ」の有権者たちが引き起こした怒りの津波は、共和党が当然勝利すると考えていた地域で最も劇的に現れた。2024年の大統領選でトランプ大統領が圧勝したテキサス州では、民主党のジェームズ・タラリコ候補が連邦上院議員に当選したのに続き、ジーナ・イノホサ候補が3選中のグレッグ・アボット州知事まで破った。テキサス州で民主党の知事が当選したのは、1990年のアン・リチャーズ以来だ。
莫大な資金力も役に立たなかった。テスラのイーロン・マスク最高経営責任者は、今回の選挙で共和党候補を支援するため、史上最大の個人寄付額である約4億4600万ドルの政治資金を投入した。テキサス州関連の選挙だけで2億ドル以上を投入したが、民意を動かすことはできなかった。ジェフリーズ院内総務は勝利演説で、「富裕層や特権階級、権力者に近い人々が金で今回の選挙を買おうとした」とし、「しかしアメリカ国民は圧倒的な声で、アメリカは金で買えるものではないと明確に示した」と述べた。
中西部の代表的な共和党の地盤であるアイオワ州でも異変が続いた。2024年の大統領選でトランプ大統領に13ポイント差の勝利をもたらしたこの州で、民主党のジョシュ・トゥレック候補が上院議員に当選した。州知事選でも、2006年以来20年ぶりに民主党候補が当選した。民主党は、アイオワ州の連邦下院議席4つのうち3つを共和党から奪った。
カンザスでは、民主党のアダム・ハミルトン候補が1932年以来94年ぶりに上院議席を奪還し、サウスカロライナでも28年ぶりに民主党の上院議員候補であるアニー・アンドリュースが勝利した。その結果、開票が進行中のアラスカを除く上院激戦州7カ所のうち6カ所を民主党が席巻した。今回の選挙結果は、トランプ大統領が2024年の大統領選で築いてきた支持基盤が揺らいだことを示したとの評価が出ている。
共和党が選挙勝利のために意図的に選挙区を再編成したいわゆる「ゲリマンダリング」も、期待していた効果を得られなかった。トランプ大統領と共和党は昨年から、テキサスやフロリダ、ノースカロライナなどで民主党の議席を減らすため、選挙区を再編した。しかし、有権者の票心の変化により、議席拡大計画はかなりの部分で支障をきたした。CNNの集計によると、共和党が民主党の議席を奪おうとして再区割りした15の選挙区のうち、少なくとも8区で民主党が議席を守り抜いた。一方、民主党はカリフォルニア州とユタ州の選挙区再編で共和党の議席4つを奪った。
南部の黒人有権者の強力な結集も、共和党の選挙戦略に打撃を与えたと分析されている。黒人有権者の政治的影響力を弱める選挙区の再区割りや、連邦最高裁の投票権法に関する判決などが、彼らの怒りをあおった。ミシシッピ州上院議員選挙では、民主党のスコット・コロン候補が、共和党の現職シンディ・ハイドスミス上院議員を相手に、接戦を繰り広げた。ルイジアナでも民主党のジェイミー・デービス候補は共和党のジュリア・レトロ候補に2ポイント未満の差で惜敗した。
トランプ大統領と差別化し、独自の政治的基盤を築いてきた共和党の穏健派議員たちも、裁きを免れることはできなかった。ペンシルベニア州下院第1選挙区のブライアン・フィッツパトリック議員は、トランプ大統領と時に対立したが、民主党候補に敗れた。民主党が強いメイン州で30年間上院議員を務めた共和党のスーザン・コリンズも、民主党のトレイ・ジャクソン候補に敗れた。
トランプ大統領は選挙期間中、有権者に対し自分が投票用紙に載ったかのように考えて、共和党候補に投票してほしいと訴えた。有権者たちはその要請どおり、今回の選挙をトランプ大統領を評価する機会とした。