原文入力:2011-02-24午前08:23:36(1398字)
リビア虐殺事態見ても
欧州は石油のために制裁躊躇
米国は‘影響圏外’限界
キム・ヨンヒ記者
"カダフィを愛する男女よ。家から出て彼らの巣窟を攻撃せよ!" リビアのムアマル・カダフィ(69)国家指導者が22日(現地時間)国営TVを通じ こういう演説をした直後、首都トリポリ広場の政府側デモ隊は祝砲を撃ちまりカダフィの肖像画と国旗を振った。同じ時刻、東部ベンガジの反政府デモ隊は画面に靴を投げつけた。
カダフィはこの日‘殉教者として死ぬつもりだ’と明らかにし、これ見よがしに最後の牌を投げた。20世紀ボスニアやルワンダ虐殺の悲劇が再現されかねないという警告が出てきて国際社会は非難強度を高める一方、制裁方案の検討に入った。23日フランスのニコラ・サルコジ大統領は「大規模人権じゅうりんにこれ以上国際社会が傍観者であることは許されない」として、ヨーロッパ連合に迅速で具体的な制裁を要求したと<AFP>通信は伝えた。イタリアのフランコ プラティニ外相はこの日「1000人以上がリビアで命を失ったと見る」と明らかにし、リビアは時々刻々深い混乱の中に陥る姿だ。
先立って開かれた国連安全保障理事会の緊急会議では15ヶ理事国が全員一致でリビア政府を糾弾し、暴力鎮圧の即刻中断と国民の合法的要求受け入れを促す言論発表文を議決した。だが、英国日刊<ガーディアン>などの指摘どおり実質的で即効性のある措置はなかった。エジプトやバーレーンとは異なり、リビアに影響力を行使するテコのないバラク・オバマ米国大統領はまだ具体的言及をしていない。ジョン・ケリー上院外交委員長(民主党)が強力な経済制裁を促すなど介入論が広がっているるが、むしろカダフィを刺激し状況を悪化させるという慎重論も侮れない。ドイツ<シュピーゲル>はこういう状況を "西欧の無気力症" と呼んだ。
こうした中、リビアと経済関係が厚いフランスも制裁を促し、国際社会の対応は速度を速めるものと見られる。ペルー政府は23日、全世界で初めてリビアとの外交関係中断を宣言した。リビアの原油の85%を輸入しているヨーロッパはこの間 慎重な対応で批判を受けてきた。21日 ヨーロッパ外相会談でフィンランドなどが出した制裁措置は植民宗主国であり不法移民取り締まりでリビアと協力してきたイタリアの躊躇などにより採択できなかった。
だが、ヨーロッパ国家らは急迫する難民処理問題を巡り葛藤を見せている。犠牲者増加を防ぐため直ちに飛行禁止区域を設置しなければならないという主張もあるが、実際にそれを履行しなければならないNATO会員国の中に主導を自任する国家はない。その上、これまでリビア報道の大部分が‘伝言’によりなされており、民主化要求と部族問題などが複雑にからまった状況であり生半可な介入は‘反西欧指向の政権打倒’という論議を買う可能性もなきにしもあらずだ。ただし今 明らかなことは数多くの人々が死んでおり、今後もさらに死んでいくだろうということだ。 キム・ヨンヒ記者 dora@hani.co.kr
原文: 訳J.S