原文入力:2010-06-13午後06:10:05(1844字)
米国 多者主義 標ぼう後、仲裁者の役割 拡大
イラン核制裁・天安艦 巡る外交折衝戦 熱気
クォン・テホ記者
←‘安保理テーブル’国際紛争の勝負所に急浮上
イスラエル糾弾議長声明(1日),イラン追加制裁案(9日)に続き、今後 天安艦関連論議まで…. 国連安全保障理事会が息詰まるように回っている。
国連安保理は米国-ソ連冷戦時代には相互に拒否権を行使して空転するのが常であり、東欧圏崩壊以後には米国の一方的リーダーシップで無視されたことも多かった。しかしバラク・オバマ行政府以後、米国が多者主義外交を標ぼうすることにより世界の多くの紛争が安保理会議場テーブルに上がっている。もちろん強大国の論理が支配する国際社会で、安保理も例外ではないが会議場内外では激しい外交折衝戦が連日広がっている。
安保理は9日、核兵器開発疑惑を受けているイランに対する追加制裁決議案を通過させた。米国が半年間にわたり精魂を込めた結果だ。その間、中途はんぱな中国とロシアを説得することにオバマ大統領まで出たが、決定打を放ったのはイスラエルだった。
<ニューヨーク タイムズ>によれば、イスラエルは去る2月に高位級官僚らを北京に送りイランの核開発関連秘密情報を伝達し中国を説得しようとした。ここで一つを加えた。イスラエルは「イラン核開発制裁が失敗すれば軍事攻撃に出るとして、中国も経済的被害を受けることになるだろう」と話した。中国は多少動いた。イスラエルが‘やるといえばやる’国であることを知っているためだ。
米国は対イラン制裁決議案に中国、ロシアを引き寄せ、これを通過させたが友好国のブラジル、トルコからは反対票を受けた。両国は先月イランの濃縮ウラニウム相当量を海外へ搬出することにする核燃料合意案を仲裁したが、実行する前に制裁に追い詰めることは無理というものだ。マリア ルイジャ ヒベイル ピオチ ブラジル国連代表部大使は 「このケースでは制裁が効果的な手段だとは考えない」と話した。
米国が将来の威嚇になる対イラン制裁にはこのように圧迫を加えながらも明白な過ちを犯したイスラエルは保護するなど、安保理には両面性が存在する。イスラエルのガザ地区救護船団攻撃に大部分の国がイスラエルを糾弾した。自国船舶が攻撃されたトルコは1日緊急に開かれた安保理会議で非難決議案採択を試みたが、米国は会議を12時間も引っ張り遺憾表明水準の議長声明で防いだ。イスラエルは謝罪の一言もなしに、むしろ厚かましく正当性を主張するが、これ以上の安保理議論はないものと見られる。
安保理とは別に国連人権理事会も2日緊急会議を開き、イスラエルに調査機構を派遣する決議案を通過させた。44ヶ国中32ヶ国が賛成した。米国は反対、我が国は棄権した。天安艦沈没当事国として、そして中国の中途はんぱな態度を批判した我が国としては‘矛盾した形態’だ。しかし米国の影響から自由でないうえに、天安艦関連安保理議論で米国支援に全面的に依拠している我が国としては予想されたことだった。
棄権2日後の4日、李明博大統領がシンガポールで開かれたアジア安保対話で天安艦問題を安保理に回付するとして国際社会の協力を要請し、安保理に公式書簡を提出した。しかし拒否権を持った中国、ロシアの支持を得ることができないうえ、米国はイラン、イスラエル事態に押され天安艦問題に対しては「韓国政府が決めれば支持する」という言葉だけを繰り返し手を後ろに組むような姿を見せ韓国外交官たちをやきもきさせている。チョン・ヨンウ外交通商部第2次官が今月、米国と中国を相次ぎ訪問し、ウィ・ソンナク韓半島平和交渉本部長は3日にロシアを訪問し、天安艦事件民軍合同調査団は9日、安保理理事国らに調査結果を説明するためニューヨークに発った。しかし北韓も8日シン・ソンホ国連駐在北韓大使名義で‘北韓国防委員会検閲団の調査結果確認が先になされなければならない’という書簡を安保理議長に送るなど対抗外交折衝戦に出た。
安保理会議場の外側では連日外交戦争が広がっている。
ワシントン/クォン・テホ特派員 ho@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/425406.html 訳J.S