原文入力:2009-06-07午後11:45:40
オバマ 対北強力警告なぜ?
“挑発には相応した代価” 断固…北に ‘対話テーブル’ 圧迫
女性記者釈放 特使検討…‘外交空間’ 中国の役割重要になる
←バラク・オバマ米国大統領(左側)が6日フランス カンヌでニコラ・サルコジ フランス大統領と首脳会談をする前に握手をしながら明るく笑っている。オバマ大統領はこの日「北韓のここ数ヶ月間の行動は途方もなく挑発的」と話した。カン/AP連合
フランスを訪問中のバラク・オバマ米国大統領が6日北韓に対して放った発言は強硬だ。しかし政策基調は大統領選挙当時から前面に出してきた ‘断固たる対応と直接的な対話’ を抜け出すものではない。
発言の核心は二点に要約される。「ここ数ヶ月間に北韓が示した行動は非常に挑発的」と規定し、これに対応して国連安全保障理事会(安保理)が新しい決議案を推進しているということだ。これは「挑発に対してはそれに相応した代価が伴う」というオバマ行政府がスタート以来繰り返し明らかにしてきた意を再確認したものだ。他の一つは北韓の核実験とミサイル発射などの挑発にも米国は外交的接近を好むということだ。ヒラリー・クリントン米国国務長官や米国代表団を率いて韓・中・日を歴訪したジェームズ・スタインバーグ国務部副長官も独自の金融制裁まで示唆しているものの対話の門は開いているという点については明確にしてきた。
こういう脈絡で北韓が核実験に続き大陸間弾道ミサイルと推定されるミサイル発射準備に入り新しい安保理制裁決議採択を控えて出てきたオバマ大統領の発言が含んでいるメッセージは「外交的接近方式を継続維持しようとすれば北朝鮮が答えなければならなくなる」というところにある。
交渉か対決かに対する北韓の選択と関連して、米国は挑発に対する明らかな応懲を強調しながらも、2点で融和的な振る舞いをして見せた。一つは軍事的対応の可能性を排除しているという点だ。ジェフ・モレル米国国務部スポークスマンは6日北韓に対する軍事的対応可能性を尋ねる質問に「それは私たちの努力の焦点でない」と話し米軍の追加派遣計画もないという点を再確認した。他の一つは裁判に入った米国女性記者釈放のための特使派遣だ。ヒラリー・クリントン米国務長官は「人道的任務に厳格に限定された ‘特別代表’ を活用することを含め多様な問題解決方案を検討している」と明らかにした。
そうであれば既にボールは北韓に渡されていると見ることができる。北韓がどのような選択をするかを左右する要素は中国だ。この間、中国は何の役割も果たせなかった。4月5日北韓のロケット発射を糾弾する安保理議長声明で中国は米国側に立った。しかし今度は他の姿勢を見せてくれている。スタインバーグ副長官が率いる米代表団の今回の韓・中・日歴訪の核心は、胡錦濤中国国家主席と面談するということだった。しかし5日中国を訪れたスタインバーグ副長官は何らかの理由で胡錦濤主席に会うことができなかった。中国側の ‘冷遇’ と見られる。米国の断固たる対応に中国が距離をおこうとしているのではないかという解釈が可能な場面だ。
実際に香港衛星放送の<鳳凰テレビジョン>は6日スタインバーグ副長官と会ったヤン・ジェツ外交部長が「中国は対北韓政策を大幅調整することはできない」と話したと伝えられた。北韓核実験に対する安保理の対北韓制裁決議が延ばされているのも中国が北韓を対話の場に引き込むために制裁水位を下げることを要求しているためだ。
米国側専門家たちの予想によれば、北韓の長距離ミサイル発射には少なくとも1ヶ月余りの時間が必要だ。米国は前のロケット発射とは異なり発射を既定事実とは見なくなっている。また過去とは違い少なくともオバマ行政府は中国が対北韓制裁に消極的・否定的な姿勢を見せていることにも、これを取り上げて批判しようとはしていない。このような点から中国が北韓を説得し米国女性記者釈放問題を巡って北韓が米国と対話をすることができる ‘外交の空間’ が開かれうるという展望が可能な状況だ。
カン・テホ南北関係専門記者kankan1@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/international/america/359115.html 訳J.S