原文入力:2012/08/02 21:21(2455字)
←日本では3世帯に1世帯が生活協同組合系の共済組合が取り扱う共済商品に加入している。 ある都市のバスに貼られている県民共済の広告
チョン・ナムグ東京特派員の‘日本共済’体験
二人の子供のために共済組合加入
入院すれば毎日6千円
手術を受けることになれば5万~20万円
後遺障害が生じれば14万~350万円
どのように生まれたか
1970年 金属労組アイディア
1973年 住民対象の共済組合に
今は全国で7千万人余りが加入
‘安い保険料’どうしてに可能なのか
年齢に関わらず保険料・補償 同一
加入勧誘者 全く使わず
自動振り替えで集金員も置かない
1970年夏、日本、埼玉県である金属労働者が退勤途上にバイク事故で死亡した。 過労のために起きた事故だったが、労災補償は適用されなかった。 突然一家の主を失った遺族が退職金と厚生年金一時金として受け取ったお金は約20万円に過ぎなかった。 保険に加入していたならば心配を減らすことが出来たが、当時の民間生命保険は保険料が高く貧しい労働者には加入が難しかった。
埼玉県金属労組書記長だった正木萬平はこのような事故に接し激しく煩悶した。 2万5000人の組合員の中で毎年35人ほどが不意の事故で死亡していたが、遺族の生計対策はなかった。 組合が賃金引き上げ闘争をがんばるだけでは解決できないことだった。 「遺族が4年くらいは心配なく生計を立てていけるよう200万円ほどの一時金を支給できる方法はないだろうか?」不可能なことではなかった。 組合員ひとりが年間2800円ほどを出せば可能だと正木は判断した。 彼は組合員を説得して皆が月400円ずつ共済掛金(保険料)を出すことにした。 年間4800円ずつ集めた後、死亡者が出てくればその遺族に200万円ずつの共済金(保険金)を支給し、残る1億2000万円は積み立てて後日に備えることにした。 30才で加入し死亡時には200万円の保障を受ける民間保険の保険料が当時月額3200~3300円だった。
←ある老人が県民共済商品の説明を読んでいる(上)。東京のある主婦が子供とともに都民共済の共済商品の説明を読んでいる(下)。 "そんあなに少ない金で保障が可能ならば埼玉県民の誰もが加入できるようにしてみればどうか?" 金属労組を離れ全国生活協同組合連合会で仕事をしていた正木はこのような提案を聞いて、熟慮の末に県民のための共済組合を創設することにした。 1973年日本生協共済の母体となった‘埼玉県民共済生活協同組合’はそのようにしてスタートした。
正木は毎月の共済掛金は普通の人の3食の食事代水準が適切だと判断した。 当時、民間保険の保険料が月額7000円ほどである時、たとえ保障水準を少し低くしたにしても埼玉県民共済の月共済掛金は2000円だった。 当時<朝日新聞>はこれを "空想的な保険料" と評価するほどであった。
共済掛金を大幅に下げられたのは年齢や性別に関係なく同じように策定し、保障も同じに(一律掛け金、一律保障)することで、共済加入および補償手続きを極めて簡単にしたためだ。 その上、不必要な経費支出を減らすために加入勧誘者を全く使わなかった。 集金人も置かず、共済掛金を銀行から自動振替などで納付できるシステムも初めて導入した。
埼玉県民共済は勧誘者を置かない共済方式としては世界で初めて1995年に加入者数100万人を突破した。 2011年7月現在の加入者は284万人に及ぶ。 埼玉県の人口720万人の3分の1を越える。 年間共済掛金収入総額は606億円(約9000億ウォン)ほどだ。
埼玉県民共済をモデルにした共済生協が日本全国各地で続々設立された。 現在は東京都(都民共済)等、全国39都道府県で共済生協が設立されている。 県民共済グループ全体の加入者数は2011年現在で1900万人を突破し、年間共済掛金収入総額は5117億円(2009会計年度)に達する。 共済事業は物品購買を中心にする他の生協にも広がり、全国労働者共済生活協同組合連合会(全労済)には現在3500万件、日本コープ共済生活協同組合連合会(コープ共済連)には670万件が契約されている。
誕生以後39年の歳月が流れる間に、共済商品は非常に多様化した。 特定年齢帯に条件を合わせた健康保険がたくさん出て、選択の幅も非常に広くなった。 しかし‘少ない掛金(保険料)で高い保障’という強みは全く変わることがない。 記者が2010年3月に東京特派員として赴任した後、すぐにした仕事の中の一つも、二人の子供のために共済組合に加入することだった。コープ共済連が取り扱う‘18才未満ジュニア’を対象にした‘助け合い’共済商品の人気が高かった。
この共済商品は被保険者が病院に入院したり事故(負傷)で入院する場合、一日6000円を支給し、事故により通院治療をする場合、一日2000円ずつ最大90日間支給する。 また、手術を受けることになる場合、5万~20万円、270日以上連続入院すれば36万円を保障する。 事故で後遺障害が発生すれば14万~350万円、病気で死亡したり重症障害が発生すれば100万円、事故で死亡したり重症障害が発生すれば100万円に追加で50万円を支給する。 この他に扶養者が事故で死亡したり事故で重症障害を受けた場合にも100万円を支給する。月共済掛金(保険料)は一回の食事代である1000円だ。 もちろん共済掛金を2000円に増やせば保障水準は2倍に大きくなる。
東京/文・写真 チョン・ナムグ特派員 jeje@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/545439.html 訳J.S