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公正な国際仲裁と言っていたが…ISD仲裁した米判事‘米政府から圧力’告白

原文入力:2012/01/03 09:04(1070字)
チョン・ウンジュ記者

エール大ロースクール論文に掲載

 投資家-国家訴訟(ISD)に仲裁人として参加した前職米国判事が米国政府の圧力を受けたと告白したことが確認された。 投資家-国家訴訟制は公正な国際仲裁手続きであり仲裁人は中立性と独立性を保証されると(韓国)外交通商部は主張してきた。

 米国エール大ロースクールが2008年に出した論文集‘国際投資仲裁での根拠の必要性:判例を中心に’によれば、ビル・クリントン政府の顧問として仕事をした前職連邦裁判所判事エブノ ミックバーはカナダの会社が米国の判決に初めて挑戦したロアン事件の仲裁人として1998年に指名された後、米国法務部と会った。 当時法務部関係者は 「米国がロアン事件で敗訴すれば北米自由貿易協定(ナフタ・NAFTA)を維持できなくなる恐れもある」 と警告し、ミックバーは 「私に圧力を加えることを願うということならばこれ以上は我慢できない」 と答えたという。 ジェーン ポールソン米国マイアミ ロースクール教授は 「米国の圧力を拒否することを明らかにしたがミックバーは米国官僚出身としてロアン事件の重要性を十分に認知しただろう」と話した。 ロアン事件とはカナダの葬儀業者であるロアンが1995年米国、ミシシッピ州裁判所で5億ドルを賠償せよとの陪審員評決を受けるや北米自由貿易協定違反とし投資家-国家訴訟を請求した事件をいう。

 仲裁判定部(仲裁人3人)を構成したところ、ミックバーを除きオーストラリアと英国判事出身の二人の仲裁人は米国州法院の誤った評決でロアンが被害を受けたと判断していた。 これに対しミックバーは 「難しい状況で(米国政府の立場で)少数意見を陳述した」と強調した。 残りの仲裁人2人も後から立場を変えて、2003年6月仲裁判定部は全員一致で米国政府の手を挙げた。 ミックバーはロアン事件の後日談を2004年12月フェイス ロースクール大学で開かれた環境法シンポジウムで発表したが、その内容が録音されて2008年エール大論文集を通じて公開された。

 外国投資家が米国政府を相手に15回の投資家-国家訴訟を請求したが、米国政府は一度も敗訴しなかった。 チョン・ウンジュ記者 ejung@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/513058.html 訳J.S