原文入力:2011/11/10 23:13(2576字)
クォン・ヒョクチョル記者
ソウル市来年度予算案、調べてみれば
総額21兆ウォン中、福祉に26%配分… "30%が目標"
高齢者幸福タウン・東部幹線道路の地下化 全面留保
市民安全・働き口・保育などの分野に財政力 集中
ソウル市政の大きな方向が‘展示土建’から‘市民福祉’へ変わる。
ソウル市は10日、来年には働き口・保育・医療などの福祉予算を今年より6045億ウォン(13.3%)増やし、漢江(ハンガン)ルネサンス事業のような大型土建事業は留保する内容を骨格とした‘2012年ソウル市予算案’を確定しソウル市議会に承認を要請した。来年のソウル市総予算は21兆7973億ウォンで今年より1兆2213億ウォン(5.9%)増やし、会計転出入を除く実質予算だけを見れば19兆8920億ウォンで今年より4.7%増やす案だ。
パク・ウォンスン ソウル市長はこの日午前、ソウル市庁 西小門(ソソムン)庁舎で記者説明会を開き「今回の予算案は展示性土建中心のソウル市政パラダイムを市民と福祉中心に変える第一歩」と話した。彼は「大規模設備投資事業を全面再検討し展示・行事性・広報経費は最大限に節減編成し、こうして用意された財源で福祉、働き口、市民安全という3大核心分野に集中した」と話した。
■福祉拡充
ソウル市の来年度福祉予算は5兆1646億ウォンで、総予算に占める比率が今年の24%から26%に高まった。パク市長は任期を終える2014年までに福祉予算比率30%を実現するために毎年福祉予算を拡大する方針だ。
公共賃貸住宅を既存の6万世帯から8万世帯に増やすという公約に歩調を合わせて関連予算を今年より1600億ウォン多い5792億ウォン余りに編成した。来年には賃貸住宅を当初計画より3068世帯増やした1万6305世帯を供給するということだ。引越し日の違いにより苦衷を体験する借家人に短期貸し出しできる貸切保証金センターを用意することにし、202億ウォンを編成した。反面、ニュータウン・再開発など既存方式の住居環境改善事業予算は今年の1441億ウォンから1252億ウォンに減らした。
次に、保育条件改善には173億ウォンを編成し重きを置いた。国公立子供の家(保育園)80ヶ所の拡充に890億ウォン、保育教師2万7000人余りの処遇改善に222億ウォンなどを使うという計画を立てた。
福祉死角地帯である低所得層生計費支援にも423億ウォンを投じる。現在4100世帯である低所得層支援対象を所得最低生計費170%までの1万4651世帯へ大幅に増やし、1ヶ月平均24万ウォンを支援するということだ。
保健支所 6ヶ所拡充(86億ウォン),健康管理訪問看護師増員(31億ウォン),保健所夜間・休日クリニック運営(27億ウォン)等、保健医療分野にも神経を使ったとソウル市は明らかにした。 ソウル市立大半額授業料支援182億ウォンと大学生学資金貸出利子支援41億ウォンなども配分した。
働き口対策としては800億ウォンをかけ青年ベンチャー事業家と社会的企業、共同体企業を支援する‘社会投資基金’を作ることにした。 中小企業育成基金300億ウォンを出し企業の協賛で500億ウォンを用意するという構想だ。 企業協賛の現実性についてパク市長は「政府機関、非政府機関、企業らが境界を越えて協力する例が多くなっている。こういう時代的変化を理解してもらいたい」と話した。
水害および山崩れ予防予算は4626億ウォン程を策定し、大幅に増やしたが、去る7・8月の水騒動対策でオ・セフン前市長の時に用意したものをほとんどそのまま反映させた。
■土建縮小
力点を置いた福祉分野の予算拡充とは異なり、財政条件を悪化させた主因に挙げられた漢江(ハンガン)芸術島造成、西海(ソヘ)航路事業など8492億ウォン規模の漢江(ハンガン)ルネサンス事業予算は配分しなかった。だが、楊花(ヤンファ)大橋橋脚幅拡大事業に対してパク市長は「選挙期間中に床板を取り壊すなどの工事を始めた」として「それを再び中断させることが果たして可能だろうかと考える」と話し、やむを得ず推進する意向を表わした。
オ前市長が5526億ウォンを投じて作ろうとした広域単位老人複合施設である高齢者幸福タウン5ヶ所の建設事業予算も除いた。出退勤の渋滞が激しい東部幹線道路の地下化(総事業費1兆3300億ウォン),江辺(カンビョン)北路、城山(ソンサン)大橋~盤浦(パンポ)大橋区間拡張(9880億ウォン)事業も留保した。
■財源用意、どのように
ソウル市は増えた福祉財源などを用意するために‘倹約予算’編成に出ると説明した。新しく推進する事業は‘公共投資管理センター’を作り審査を強化する方針だ。進行中や留保した事業は専門家たちで構成した‘事業調停会議’が事業妥当性、完工後運営費などに対する総合的な審査を行うようにした後、事業推進可否と時期、方向などを決めることにした。大型土建事業を中断する場合、約3兆~4兆ウォンの事業費を節約でき、これを福祉などにまわすことができると見ている。
パク市長は「出勤初日に市長事務室が運動場のように広いという感じを受けた」として市長接見室を業務会議室に変え、市長業務推進費を4億5700万ウォンから3億6500万ウォンに20%ほど減らし、官用車を3台から2台に縮小すると話した。 20兆ウォンほどのソウル市予算から見れば比重は微小だが、自ら予算節減の先頭に立つという意を示したわけだ。 彼は市政広報予算も今年の132億ウォンから来年度は76億ウォンへ56億ウォンを削った。
パク市長の来年度予算案は大きな枠組みでソウル市議会の多数を占める民主党市会議員らの政策指向と似ており、一部金額・項目調整を経てソウル市議会を通過するという観測が多い。
クォン・ヒョクチョル、オム・ジウォン記者 nura@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/area/504952.html 訳J.S