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李箱(イ・サン)・尹東柱(ユン・ドンジュ)が暮らした西村(ソチョン)興し 市民が立ち上がった

原文入力:2011/10/26 21:11(2202字)
イム・ジョンオプ記者


路地に沿って韓国式家屋・敵産家屋…
住居文化史の生きた展示場
保存政策‘不備’のせいで撤去進行
市民、法改正など対策要求


←ソウル、景福宮(キョンボックン)と仁王山(イヌァンサン)に挟まれた町、西村(ソチョン)の住宅街風景。朝鮮時代に形成された路地に伝統韓屋、改良韓屋、敵産家屋、現代式建物が歳月の層を成し遂げぎっしりと建っている。昨年ソウル市が保存のための地区単位計画を立てたが、法規定の不備のために韓屋が取り壊されつつある。 パク・ジョンシク記者 anaki@hani.co.kr


 "切り倒されなかっただけでも幸運でしょう。" 23日午後、ソウル、新橋洞(シンギョドン)の友堂記念館前道路。高麗大行政学科学部生10人余りを相手にこちら西村(ソウル、景福宮西側町内)を案内した‘ヒゲオヤジ’キム・ハンウル氏が道路の真ん中の大イチョウを指して話した。西村住居空間研究会幹事である彼は西村ツアー案内するために小サークル設けることに非常に忙しい。少し前までは道の向かい側の昌成洞(チャンソンドン)韓屋レストランで開かれたストーリー分科会に参加した。 会員11人と共に西村のストーリー・ルートと地図をどのように作るか討論を行った。

景福宮と仁王山に挟まれた西村住民たちが開発狂風から町を守ろうと立ち上がった。去る5月初め、楼下洞(ヌハドン)222番地の韓屋そばに7階建て多世帯住宅新築工事が始まり問題意識を持った人が集まったことが契機であった。 西村に住み、仁王、北岳(プガク)の四季を呼吸してきたが、突然隣に出てきたビルディングに息が詰まり景福宮東側の北村から‘脱出した’ロバート ハウザー ソウル大国語教育科教授が住民20人余りで構成された集いを率いている。


←西村を踏査中の大学生たちに西村住居空間研究会幹事キム・ハンウル(右端)氏が説明している。その横にいる人が研究会を主導してきたロバート ハウザーソウル大教授だ。 イム・ジョンオプ記者


 
"西村は朝鮮時代に形成され日帝強制占領期、韓国戦争、セマウル(新しい村)運動時期などをたどりながら韓屋、敵産家屋、改良韓屋、セマウル住宅など多様な庶民住宅が入り乱れた町になりました。昔の路地に沿って歳月が積み重ねられた‘生きている住居文化博物館’ということでしょう。」ハウザー教授は西村伝導師になった。


西村の道路沿いには4~5階の建物の間に韓屋の古本屋、韓屋の金物屋、2階建て韓屋などが残っている。路地に入ればそこここに詩人 尹東柱・盧天命(ノ・チョンミョン)、画家イ・ジュンソブ、独立活動家キム・カジンらが暮らした家の痕跡が残っている。親日派 ユン・ドクヨンの家は崩れ落ちたが一部が残っており、過去の栄華を見せ、画家パク・ノス氏の赤いレンガ造りの家は日帝時の姿を完全に保っている。 だが、5~6年前の再開発・再建築狂風で多世帯住宅と商業用ビルが建てられ調和がこわれている。昨年ソウル市が‘景福宮西側地区単位計画’を発表し開発から保存政策へ旋回したが、韓屋推奨地域の韓屋は法の趣旨とは異なり継続的に取り壊されつつある。


通仁洞(トンインドン)154-10番地にある‘李箱の家’が西村の現住所だ。詩人 李箱(1910~1937)の‘創作の産室’という理由で2004年に登録文化財目録に載ったこちらのビウプ(ハングル子音の一つ、B音)字形改良韓屋は1943年に住宅商人が本来の家を取り壊し新しく建て直した事実が知らされ、2008年に文化財指定が取り消された。建築家キム・ウォン氏のアイデアで‘文化財的価値がない’こちらの韓屋を買い入れ取り壊し、その場所に4階建ての李箱記念館を作る計画を現在 文化遺産国民信託と財団法人アルムジギが進めている。これに対して西村研究会では先月「(この韓国式家屋が)たとえ李箱の家ではなくとも西村住居文化を見せる文化史的価値が高く、西村地域の保存維持のために壊してはいけない」という内容の質問書を現在 記念館事業を推進中のアルムジギ側に伝達した経緯がある。この集いの韓屋分科会所属であるファン・インボム大工は「地区単位計画が反対に韓屋破壊を煽っている」として「ソウル市が西村の実情に合わせて法規定を直すよう誘導する」と明らかにした。


集いでは実態把握が急務と見て西村住宅を調査した後、韓屋に限定せず保存価値がある住宅を選別する方針だ。これを根拠に市に保存対策を建議する計画だ。また、これとは別に由緒深い家屋には手作りの案内板を付け‘注目するに値する韓屋10選’を選定し居住者に自負心を持たせる予定だ。建築家イム・ヒョンナム氏は「カフェやマンションが乱立した乱開発も駄目だが、北村のように一律的に朝鮮時代風民俗村を作ってもいけない」として「歳月の積層を感じられる景観と住民たちが共に暮らしていく共同体を保存する方案を求めることが至急必要だ」と話した。イム・ジョンオプ先任記者 blitz@hani.co.kr


原文: https://www.hani.co.kr/arti/culture/culture_general/502593.html 訳J.S