原文入力:2011/10/20 08:27(1365字)
キム・ソヨン記者
忠南(チュンナム)地方労働委員会の判定文を見れば
‘不法派遣’より進展した判断
"社内下請け業者は現代自動車に従属
事業主として独立・独自性 脆弱"
労働事件を審判する準司法機関である忠南地方労働委員会が現代自動車牙山工場の社内下請け労働者らの不当懲戒救済申請事件で「社内下請け業者は経済的にも事業経営上も現代自動車に従属しており、事業主としての独立性と独自性が脆弱だ」と判断した。これは労働委員会が現代自動車と下請け労働者らの関係に対し、事実上‘暗黙的勤労契約’に近いと解釈したという点で意味がある。
19日、現代自動車の社内下請け労組側を代理している‘法律事務所 未来’が忠南(チュンナム)地労委から受け取った不当懲戒判定文を見れば、地労委は下請け労働者らの採用と賃金決定権などをあまねく調べた時、下請け企業等の独立性が脆弱だと判断した。忠南地労委は先月15日、現代自動車牙山工場下請け労働者として仕事をし懲戒にあった193人が出した不当懲戒救済申請事件で「不法派遣状態の社内下請け業者8社所属の144人はすでに現代自動車の職員」と決め、決定理由等を含む判定文はこの日労組に伝えられた。
この判定文には先に出た最高裁とソウル高裁の判決文には盛り込まれていなかった新たな内容が幾つもある。最高裁(2010年7月)とソウル高裁(2010年11月)は現代車蔚山(ウルサン)・牙山工場の下請け労働者が出した訴訟で、‘暗黙的勤労契約’は認定せず不法派遣と判断した経緯がある。‘暗黙的勤労契約’とは下請け業者が事業主としての独自性がなく元請け(現代自動車)の労務代行機関に過ぎないと判断し、下請け労働者と元請けが当初から暗黙的に勤労契約を結んだと見なすことをいう。不法派遣の場合、2年以上働いた労働者だけが元請けに直接雇用されうるが‘暗黙的勤労契約’と認められれば勤務期間に関係なく該当社内下請け労働者全員が正規職に転換される。
忠南地労委は裁判所とは異なり下請け企業等が採用など人事権を独立的に行使しておらず事業経営上の実体も脆弱と見た。地労委は「現代車が下請け業者別に人員規模を調整し、短期・一時勤労者の場合も独自採用するのではなく現代車の要請で行った」とし「社内下請け業者で退職者が発生した場合に下請け業者の任意採用を禁じ、現代車の許諾を受けてから新規勤労者を採用していた」と明らかにした。また「事務室賃貸料と保険加入費を除けば実質的に事業体の設立費用がなく、機械と設備、組立に必要な部品と消耗品も全て現代車が無償で支給した」とし「B業者など相当数の下請け業者の社長は会社設立の直前まで現代車の職員だった」と指摘した。賃金決定も「元請け労使が下請け業者の勤労者賃金引き上げ率を口頭合意すれば、下請け業者労使が同じ賃金引き上げ率で合意した」として「下請け企業等には賃金決定権がないと判断される」と付け加えた。
キム・ソヨン記者 dandy@hani.co.kr
原文: 訳J.S