原文入力:2011/09/02 08:57(2200字)
イ・スンジュン記者
‘最低賃金100%適用’苦々しい風景
入居者要求によりやむを得ず参加
"解雇が恐ろしいがどうすれば"
"管理事務所で(署名を)集めるというので、素直にやりました。やり口が汚らしいが私に何ができるか。" 去る31日、ソウル、江北(カンブク)のあるアパートで会った警備員 カン・ドンマン(仮名・63)氏は闇に包まれたアパート団地を眺めながらため息をついた。彼は去る7月、住民たちの署名を集めに回った。署名用紙には「警備員に最低賃金100%支給規定を適用すれば管理費が上がるので、100%適用を猶予するなり、最低賃金法適用例外を要求しよう」という内容が記されていた。警備員が『警備員の賃金引き上げを阻め』という署名を集めに回ったわけだ。
来年からアパート警備員のような‘監視・取り締まり職労働者’(監探職労働者)にも最低賃金が適用されるように制度が変わり、全国各地のアパート団地でこういう苦々しい風景が展開されている。
最低賃金の100%を支払う場合、現在 平均110万~120万ウォンを受け取っている警備員の月間給与は平均20万~30万ウォン程 上がるものと見られる。それにともなう管理費引き上げを憂慮した全国アパート入居者代表会議連合会(全ア連)が対応に乗り出し、働き口を失うことを心配する警備員が「賃金引き上げをするな」という署名運動に自意半分、他意半分で一緒にしているということだ。
全ア連関係者は「警備員に最低賃金100%支給規定を適用すれば、管理費が20%、世帯当り1万~2万ウォンずつ増え、住民たちの立場では大騷ぎが起こりかねない」として「勤労条件改善も重要だが、65才以上の高齢者が大部分を占める警備員が路上に追い出されても最低賃金100%を適用することが果たして正しいのか」と話した。この関係者は「10万人以上の署名を集めた」と明らかにした。
警備員は2006年まで最低賃金の適用を全く受けられなかったが、最低賃金法施行令改正で2007年には最低賃金の70%、2008年からは最低賃金の80%を受けてきた。代わりに警備員は賃金負担を節約を謳う請負業者と一部アパート管理事務所の‘解雇威嚇’の担保となった。日常的な‘雇用不安’という鎖をはめることになったわけだ。
15年にわたり警備員暮らしをしてきたチェ・ギョンギュ(仮名・66)氏は「賃金が上がれば高齢の人から当然切られるようだ」とした。彼は「20万ウォンの借間で一人で暮らしているが、あれこれ払うべきものを払えば殆ど残らず、かろうじて暮らしている」として「警備員が集まれば最低賃金の話をよくするが、賃金が上がること自体は当然歓迎するが、口があっても言えずにいる」と言葉を濁した。昨年から警備員の仕事を始めたソン・チャンウォン(仮名・64)氏は「私たちのような60代以上でも、まともに暮らせなければならないのではないか」として「幾らだと思って月給が上がることに反対するのか苦々しい」と話した。
2007年以後の賃金上昇による費用増加を憂慮し相当数のアパートが警備員数を減らしたり、防犯カメラ(CCTV)等の無人警備システムを導入し始めた。代わりに警備員はほとんど大部分が24時間 対面交代勤務をするなど過度な労働に苦しめられている。
24時間対面交代勤務をしながら3棟を一人で管理しているというアパート警備員キム・ギュシク(仮名・60)氏は「警備員が下バリだということは知っているが、このシャツの汗ジミを見ろ。朝に鎌を持って草を刈るからだ。たかだか百万ウォンを受け取り、かろうじて持ちこたえていることを知らないのか」と声を高めた。イ・ヨンサン(65)氏も「CCTVが設置され警備員が20~30%減ったが、人がしなければならないことは同じだ」として「むしろ管理事務所にあるCCTVが私たちの勤務態度まで監視している」と伝えた。
警備員は「政府が責任を負わなければならない」と口をそろえた。チェ氏は「法が変わっても私たちの雇用が自然に変わるわけでもない。私たちが契約書を新しく書こうと言う立場でもなくて辞めろと言われれば辞めざるをえない」として「政府がアパートなり請負会社なりに圧力を加え対策を用意しなければならない」と話した。
こういう状況に対して雇用労働部関係者は「アパート入居者団体から請願が入ってきており現在検討中」としつつ「まだ決定されてはいないが勤労条件改善と雇用安定を実現するために方案を摸索中」と明らかにした。だが、雇用部は事実上、最低賃金100%猶予や段階的適用を考慮していることが分かった。
民主労働党ホン・ヒドク議員室関係者は「管理費が少し上がっても最低賃金100%を適用しなければならないというアパート住民たちもいる」として「労働強度が高い現在の24時間交代を変え雇用維持支援金、交代制転換支援金制度を活用する方案で雇用安定と最低賃金保障を両立させることができる」と話した。
イ・スンジュン記者 gamja@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/494525.html 訳J.S