原文入力:2011/06/19 23:00(2120字)
パク・ヨンニュル記者、パク・ジュヒ記者
曲がりくねった洛東江(ナクトンガン)上流には
まっすぐな‘コンクリート尚州堰’
建設会社の大型広告だけがはためき
海平(ヘピョン)湿地もき損 渡り鳥 急減
←慶南(キョンナム)、陜川郡(ハプチョングン)、洛東江、陜川堰工事現場で16日、仕上げ作業が進んでいる。20日までに構造物が完工すれば21日から臨時防水堰の撤去作業が始まる予定だ。国土海洋部は今月末までに４大河川工事区間の大部分の堰と浚渫工事を終える計画だ。陜川/キム・ジョンヒョ記者 hyopd＠hani.co.kr
４大河川事業予算は総額22兆3400億ウォンだ。民主党の半額授業料対策の年間必要予算5兆7000億ウォン、ハンナラ党の無償保育対策年間予算1兆2000億ウォン、ソウル市教育庁の今年度無償給食予算1162億ウォンを全て合わせても3分の1にも至らない。2009年7月の工事発注後、これまでに13兆5000億ウォンが投入された４大河川事業は、すでに70～80%台の工程率を示している。堰や浚渫などの主要工事はほとんど完了し、小水力発電、貯水池堤防の嵩上げや生態公園造成など仕上げ作業だけが残っている。去る2年間に天文学的規模の資金が投入された４大河川工事で何がどのように変ったのか現場を調べた。
"洛東江は消え‘アイパーク川’になりましたね。"
去る11日午後、慶北尚州市の４大河川事業33工区尚州堰を見て回った４大河川踏査団の一行が嘆息しながら話した。清い洛東江がゆうゆうと曲がりくねって流れていた洛東江上流のこちらには、巨大なダムに似た見慣れぬコンクリート構造物‘尚州堰’ができた。尚州堰に掲げられた超大型横断幕には‘アイパーク イノベーション-あなたを知りあなたの心を読むアイパーク’という堰建設会社の広告字句が鮮明だった。
近隣の擎天台に登ると、整形手術した洛東江の全景がひと目で見渡せた。透明で悠々と曲がりくねる洛東江を豊かに見せてくれた素敵な銀の砂浜は消えていた。代わりに漢江のように狭い水辺を持つ正体不明の川の上に工事のために作られた汚濁防止膜を突き抜けた泥水が流れていた。
尚州堰の下流に位置した洛東江亀尾堰近隣の世界的な渡り鳥の渡来地である海平湿地も大きく毀損されていた。昨年こちらに訪れた渡り鳥の数は激減し、周辺には野球・サッカー場の工事が真っ最中だった。洛東江の随所でこちらのように河川が原形を失い水辺の植生が浚渫土で覆われ、湿地と河中島が消える現象が目撃された。 大邱区間事業現場の慶北、高霊郡、開津面と達城郡、玄風面をつなぐパク石津橋はコンクリート製の橋脚川床保護石積み(川底が削られることを防ぐために設置した石もっこやコンクリート構造物)が露出していた。以前は水の中に沈んでいた部分だが、浚渫で水位が低くなり水の上に出てきたものだ。
４大河川市民共同調査団が去る16日に発表した‘４大河川実態調査報告書’を見れば、４大河川事業で支流・支川の水害が解決されるどころか、一層深刻な問題を産んでいることが確認された。洛東江支流と本流の合流部の各地では、大規模浚渫により下流から上流方向へ侵食が進むいわゆる‘逆行侵食’現象が現れていた。
尚州・大邱/パク・ヨンニュル、パク・ジュヒ記者、地域総合 ylpak＠hani.co.kr
‘危険な支流’さらに危険になる…農耕地浸水被害 憂慮
また、河川から浚渫した地域の近隣に再び砂が堆積する‘元の木阿弥 浚渫’現象も随所に現れている。パク・ジェヒョン仁済大教授(土木工学)は「４大河川事業は安全な河川(本流)は不必要なほどさらに安全になったが、危険な河川(支流)は放置したか、あるいは一層危険にした事業」とし「支流・支川事業には４大河川事業よりさらに多くの費用がかかるだろう」と話した。
地方自治体では川の流れをせき止めた堰の上流地域では河川水位が上昇し地下水位が高まり農耕地が浸水・湿地化し、堰の下流農耕地は水位が下がり田植えなどに困難をきたす憂慮を提起している。慶南道が去る15日、水利調査専門機関に用役依頼して調査した結果によれば、４大河川事業で洛東江に咸安堰が完工すれば、地下水位の上昇によりソウル、汝矣島の1.5倍近い1228万㎡の農耕地が、陜川堰が建設されれば陜川郡、徳谷面一帯44万㎡が被害にあうと予測された。これは政府が主張する咸安堰 74万4000㎡の16.5倍、韓国水資源公社の陜川堰調査結果の2万5300㎡の17.4倍にあたる面積だ。栄山江と錦江でも洛東江と同様な再堆積と共に葦畑と湿地、砂浜が消える景観被害、農耕地被害事例が相次いでいる。
尚州・大邱/パク・ヨンニュル、パク・ジュヒ記者、地域総合 ylpak＠hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/483492.html 訳J.S
