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[このひと] "自国文化 強要‘多文化’は失敗した政策"

原文入力:2011/05/30 20:33(1395字)
ソンチェ・ギョンファ記者

←ユネスコ 生涯学習研究所 カロリン メデル アノヌエボ副所長

移民者の多様性を尊重して疎通する
‘相互文化主義’変化の必要 強調
"本国民に国際理解教育しなければ"

 "今は多文化主義(multiculturalism)ではなく相互文化主義(interculturalism)に進まなければならない時です。"

29日ソウル、永登浦洞のコートヤード マリオットホテルで会ったカロリン メデル アノヌエボ(写真)ユネスコ生涯学習研究所副所長は‘多文化主義’という用語を国際的に再議論しなければなければならないと強調した。メデル アノヌエボ副所長はユネスコ アジア太平洋国際理解教育院(院長 イ・スンファン)と国会多文化家族政策研究フォーラム(代表 キム・ヘソン議員)が‘韓国的多文化主義、新しいパラダイム摸索’という主題で31日に開催する国際理解教育フォーラムに参加するため韓国を訪問した。今回のフォーラムはヨーロッパ国家が最近相次ぎ‘多文化主義の失敗’を宣言する理由と、それにともなう政策変化などを中心に韓国の多文化社会を振り返ってみるために用意された。

メデル アノヌエボ副所長はヨーロッパ国家の多文化主義政策失敗宣言に対し、宣言自体に含まれた含意を批判した。彼女は「現在、ヨーロッパに暮らしている多くの移民者は本国の文化を依然として強く主張し、ヨーロッパ国家の主流社会はそれに対する拒否反応を示している」として「ヨーロッパ国家がこれに対して‘移民者が私たちの文化を全く受け入れることができないので多文化主義は失敗した’と話すが、それは本質的に誤り」と指摘した。ヨーロッパ国家の多文化政策失敗宣言は、結局 彼らの多文化政策がヨーロッパ同化主義だったことを傍証するという説明だ。

こういう理由で彼女は‘多文化主義’という用語自体を‘相互文化主義’に変えていかなければならないと主張した。彼女は「多文化主義は通常‘ある社会に存在する互いに異なる集団が平等な権利と機会を持ち、誰も無視されない状況’を意味する」として「こういう定義が現実政策に用いられれば結局 移民者たちに主流の文化を受け入れろということにしかなりえない」と指摘した。彼女は「多数の文化が存在する社会や国家で多様性を尊重しながら疎通することが、まさに相互文化主義」と説明した。

メデル アノヌエボ副所長は世界が相互文化主義に進もうとするなら何より主流文化圏に対する国際理解教育が重要だという点を強調した。移民者たちを相手にしたヨーロッパ文化教育でなく、ヨーロッパ人を対象にした非ヨーロッパ国家に対する教育をしなければならないということだ。彼は「フィリピンの人々が韓国に来れば韓国の文化を理解し学ぼうと努めるが、韓国人はフィリピンに行っても彼らの文化を習おうとはしない」とし「こういう韓国人たちに彼らがよく知らない他のアジアやアフリカを理解できる教育が必要だ」と忠告した。

ソンチェ・ギョンファ記者 khsong@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/480423.html 訳J.S