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南漢江(ナムハンガン)・8ヶ支流、堤防崩壊し川底侵食

原文入力:2011-05-15午後11:11:43(1863字)
市民共同調査団 現場検証
最近の2回の雨で‘流失’確認
4大河川周辺 洪水被害 憂慮

ナム・ジョンヨン記者

←南漢江支流および本流被害現況(※クリックすればさらに大きく見ることができます)

4大河川事業が洪水被害を呼び起こしている。堤防が崩れ川底が侵食され、それを防止するために積んだ川床保護用石積みが押し流される事態が南漢江事業区間の各所で発生している。
‘4大河川事業阻止汎国民対策委員会’等が結成した‘市民共同調査団’が去る13~14日京畿驪州郡と江原、原州市の南漢江本流と一帯の支流13ヶ所を調査した結果、本流に位置した梨浦堰と支流8ヶ所で人工的な浚渫工事が呼び起こした‘異常現象’が集中的に観察された。

梨浦堰では最近降った2回の雨で、右岸の堤防200mが崩れ5000立方Mの土砂が川の水に流された。13日に現場を訪ねたところ、梨浦堰右岸の文化広場と魚道もまた流失し泥水が流れていた。ファン・インチョル緑色連合4大河川現場チーム長は「先月30日、雨で堤防が崩れ補強工事を行っている間、10日の雨で再び崩れた」と話した。

施工業者の大林建設と監督官庁の国土海洋部は13日までこういう事実を公開しなかった。大林建設関係者は「政府がマスコミ対応をしないでくれと言い(崩壊有無については)話せない」として、取材陣の現場接近を阻んだ。国土海洋部関係者は「江原、寧越で500年に一度の雨が降ったため、この程度ならよく防いだうち」とし「20日までに復旧する予定」と明らかにした。だが、パク・チャングン関東大教授(土木工学)は「雨が多く降っても忠州ダムで流量調節をして送るため、不可抗力的という主張には説得力がない」と反論した。

驪州郡、占東面の淸ミ川(チョンミチョン、ミはさんずいに美)と南漢江の合流部に設置された‘大型川床保護石積み’も今回の雨で流された。本来、この構造物は荒々しい水の流れで川底がえぐられることを防ぐために石もっこを幅150m、高さ2mの‘小さいダム’状に積んだものだった。だが強まった水の流れは小さなダムを壊しダム上流に貯まった砂も押し流した。熱心に浚渫した淸ミ川下流には以前のように砂が積もった。たった10日で浚渫が無駄になったわけだ。 最初の雨が降った先月30日と2回目の雨が降った10~11日のこの地域の降水量は各々74.5㎜、91㎜だった。 毎春1,2回は降る集中豪雨水準だ。

大神面、ハン川のセメント堤防道路は地震がおきたように割れていた。昨年の秋夕集中豪雨の時に地盤が流失し道路が空中に浮き上がってしまったのだ。驪州郡は苦肉の策でコンクリート堤防工事をしているが、これにより自然型河川の姿は見られなくなった。 江原、原州市、蟾江(ソムガン)と南漢江合流部の川床保護石積みも流失した。こちらで淡水魚を獲ってきたハン・スンヘ(55)氏が話した。

 "水の流れが弾丸のように速くなりました。蟾江に船を出すこともできません。先日の雨では、流される船をやっと捕まえました。"

南漢江支流が異常現象を示している理由は、本流川底を深く掘ったためだ。本流川底が低くなれば、標高差が大きくなり本流に流入する支流の流速が非正常的に速くなる。これに伴い、支流と本流の合流地点から逆に△川底侵食△堤防崩壊△川床保護石積み流失などの地形変化が現れる。浚渫初期の昨年夏に比べ今春の少ない雨でもこういう‘逆行侵食’が目立っている。驪州郡、北内面、金塘川金塘橋の橋脚下段がつぶれ康川面の看梅川の川底に埋められた管路が露出している様子も今回の調査で目撃された。

南漢江は呪いにかかったようだった。砂を掘れば掘るほど積もり、堤防は積めば積むほど崩れた。今夏の台風と梅雨が始まれば、こういう現象はより一層深刻化するものと見られる。荒々しい水の流れに耐えられるのはコンクリートだけだ。パク・チャングン教授は 「すべての支流の堤防と水路をコンクリートで積むか、4大河川事業をあきらめ自然型河川に復元する方法しかない」として「結局、4大河川事業はすべての河川のコンクリート化を呼び起こすだろう」と話した。
驪州、原州/ナム・ジョンヨン記者 fandg@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/environment/477993.html 訳J.S