本文に移動

[このひと]“‘シングルマザー”を排斥しながら、“養子縁組の広告”出す政府

原文入力:2011-05-04午後07:22:30(1508字)
「政府の政策失敗で国外養子増加
教育と労働を保障し、養育の機会与えるべき」

国外養子の支援団体“根っこの家”のキム・ドヒョン院長

パク・テウ記者

←キム・ドヒョン牧師

「養子縁組の奨励は出口戦略にすぎません。未婚の母親が赤ん坊を養子縁組にやるほかない根元を見なければなりません」

国外養子を支援する市民団体“根っこの家”の院長キム・ドヒョン(57)牧師にとって、毎年 子供の日を迎える心情は錯雑としたものがある。「養子縁組週間」が始まるこの11日、“真実と和解のための海外養子の集い(TRACK)”と“韓国未婚の母家族協会”そして“韓国一人親連合”と共同で「第1回シングルマザーの日」を準備した理由でもある。この日、養子縁組された人と未婚の母親、関連専門家たちがシングルマザー家庭の権利保護方案を討論する予定だ。

キム牧師は9年間スイス国家教会の韓国担当牧師として働く中で、養子縁組でスイスに来た韓国系の人々に関心を持つようになった。 特にその中の一人が23才で「ママを探しに行く」という一行の遺書を残しライン川に身を投じたという事実を知ったことが決定的な契機だった。養子縁組による決別の痛みを減らさなければならないと決心した彼は、2004年帰国して「根っこの家」を運営してきた。

キム牧師は特に海外養子縁組された人の家族探しの事業を進めながら、全体の90%が未婚の母親の子供である点に注目した。キム牧師はソウルに住んでいた帰還養子が未婚の母の支援施設「エラン院」を定期的に訪問し、養子縁組か養育かで悩み苦しんでいた未婚の母親らと疎通できる機会を作った。 彼は「こういう疎通を通じて、多くの未婚の母親が子供を育てる決心をするようになった」として「社会的にも未婚の母親が子供を自分で育てられるような基盤を作らなければならない」と強調した。

低出産問題が深刻な社会的懸案として浮び上がっているが、依然として未婚の母に対する支援が絶対的に足りない現実を彼は非常に残念がった。 「一般的な夫婦でも子供を育てるのが大変だというのに、学校から退学させられ職場で解雇された未婚の母親が、いったいどうやって子供を育てられますか? 未婚の母親に対する教育と労働の権利を保障しなければなりません」 彼は「西欧社会のように私たちも未婚の母親の決定を励ます社会的雰囲気が作られなければならない」と付け加えた(訳注:ハンギョレの別の記事によれば、国家支援施設の未婚の母親の70%が子供を養子縁組にやっているが、アメリカでは未婚の母親が子供を放棄する比率はわずか1%であるという)。

キム牧師は養子縁組週間の間、国政広報チャンネルのKTVに養子縁組広報広告を出すことにした保健福祉部に対する批判も忘れなかった。 彼は「養子縁組が増えざるを得ない原因を提供した政府が先ず、政策の失敗を認めなければならない」として「子供の養育のための環境を作ることができなかったことに対する反省なしに、養子縁組をしてほしいと広告までするとは」と厳しく指摘した。

キム牧師は「養子縁組された人たちへの支援事業をこれ以上行なう必要のない世の中を作ることが目標だ」と話した。決別の痛みに耐えなければならない望まない養子縁組が消えることを願うためだ。

パク・テウ記者 ehot@hani.co.kr,写真「根っこの家」提供

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/476356.html 訳A.K