原文入力:2011-04-28午後11:01:08(1770字)
文書もなく口頭伝達…関係改善の真正性には疑問
条件なしに対話しようと言いながら天安艦謝罪は一貫拒否
ソン・ウォンジェ記者
←6者会談再開などを議論するために北韓を訪問したジミー カーター前米国大統領(右側)が28日午後、ソウル、龍山区、漢南洞のハイアットホテルで北韓訪問結果を説明する記者会見をしている。 キム・ミョンジン記者 littleprince@hani.co.kr
李明博-金正日の出会い展望は
金正日北韓国防委員長が28日に北韓訪問を終えソウルに到着したジミー カーター前大統領を通じて「李明博大統領といつでも会いすべての主題に対し議論する準備ができている」というメッセージを送ってきた。イ・ヨンホ外務省副相を通じて親書と見られる書類を読んだものなので、直接顔を突き合わせ伝達したメッセージではないが事実上の首脳会談提案だ。
しかし政府の反応は冷たい。真正性が込められた提案とは見難く、そのように見ることもないということだ。大統領府高位当局者は「一考の価値もない」と話した。
政府核心当局者は「全く新しい内容がない」として「2年前から言ってきた内容」と語った。南北は2009年下半期にイム・テヒ当時労働部長官とキム・ヤンゴン労働党統一戦線部長間で南北首脳会談を協議した経緯がある。当時、キム委員長はキム・ヤンゴン部長を通じて「イ大統領とすべての問題を議論することができる」という意を伝達したと知られた。伝達者がキム部長からカーター前大統領に変わった点の他にはキム委員長のメッセージが変わっていないという話だ。
反面、その後の政府態度はより一層頑強だった。天安艦・延坪島事件を経て、これに対する北韓の謝罪など責任ある措置を強く要求している。この部分が整理されない限りは首脳会談どころか北韓核問題を扱う6者会談へ進むこともできないという態度だ。
キム委員長の今回のメッセージに天安艦・延坪島事件に対する直接的な言及はなかった。カーター前大統領と共に北韓を訪問したメリー ロビンソン前アイルランド大統領は「キム委員長のメッセージは首脳会談提案だけでなく、すべての事項に対して事前の条件なしに対話する用意があるということだった」と話した。事前の条件がないということは南側もまた天安艦・延坪島謝罪という前提をあらかじめ付けずに首脳どうしが会い、天安艦事件であれ延坪島事件であれ一緒に議論しようという意にも解釈されうる。政府当局者は「状況は変わったのに北韓は何事もなかったようにやりすごそうとしながら以前と同じ話をしている」と話した。
政府のこういう態度はすでに予告されたものである。キム・ソンファン外交通商部長官は26日、カーター前大統領北韓訪問直後になされたブリーフィングで「北韓と我々が第三者を通じて話さなければならない理由はない」と話した。カーター前大統領を通した北韓の間接的な南北対話提案を公式提案とは認定しない意向であることを明確にしたのだ。
北韓のメッセージ伝達方式もまた真剣な首脳会談提案と受け止めるには問題だらけという指摘も出ている。前国家首班を4人も招請しておきながら、キム委員長の直接面談に代えて旅立った人々を再び呼び入れた後に書簡を読む欠礼を犯し自らメッセージの格を落としたということだ。 ユ・ホヨル高麗大教授は「1994年のカーター訪問の時は金日成主席が最高優遇をし真剣に南北首脳会談を提案した反面、今回は我が政府が受け入れないだろうということを知りながらも一度投じてみようということではないかと思う」と話した。
政府の態度と北韓のメッセージ伝達形式に照らし、今回の首脳会談提案が功を奏して実際に軌道に乗ることは難しいという展望が出ている。ムン・ジョンイン延世大教授は「南北関係を解きほぐすための首脳会談を成功させようとする真剣な意志が南北双方に必要なのに残念だ」と話した。 ソン・ウォンジェ記者 wonje@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/475504.html 訳J.S