本文に移動

"不法盗聴内容、公益基準に至らず" …最高裁、安全企画部Xファイル報道‘有罪’判決

原文入力:2011-03-17午後10:57:54(1500字)
"公的関心外の過去" 判断
最高裁判事 5人 少数意見 "政経癒着 報道内容は公益と関連あり無罪"

キム・ナムイル記者、ムン・ヒョンスク記者

←最高裁全員合議体‘Xファイル’判決 意見

2005年に言論報道で暴露されたいわゆる‘安全企画部Xファイル’には、1997年年末に大統領選挙を控えイ・ハクス当時 三星グループ秘書室長とホン・ソッヒョン<中央日報>会長が会い、金を渡す特定候補と検察高位幹部らの名前・金額などを議論する対話内容が含まれている。検察は不法盗聴という‘形式’を前面に出し、公益的重要性という‘内容’を強調した言論人たちを通信秘密保護法違反疑惑で起訴した。
最高裁が17日、不法盗聴・録音された内容の言論報道‘基準’を提示し、安全企画部Xファイル報道はこの基準を充足できず違法行為と判断した。最高裁全員合議体はこの日、国家安全企画部不法盗聴テープを入手・報道した疑惑(通信秘密保護法違反)で起訴されたイ・サンホン(43) <文化放送>(MBC)記者に懲役6月,資格停止1年、<文化放送>から関連資料を譲り受け報道したキム・ヨングァン(49)前<月刊朝鮮>編集長には宣告を猶予した原審を確定した。

多数意見を出したイ・ヨンフン大法院長(訳注:最高裁長官に相当)など最高裁判事ら(8人)は 「不法に盗聴・録音されたという事実を知りながらも、それを報道することは原則的に違法だ」と明らかにした。その一方で、その報道が正当になる要件として△不法盗聴事実自体を告発するためにやむをえず報道がなされた場合△不法盗聴された内容を公開しなければ生命・財産など公益に重大な侵害が発生する可能性が大きい場合、などを挙げた。最高裁は<文化放送>の報道が「国家機関の不法録音を告発するためにやむをえず対話内容を公開したとは見難く、報道内容が8年前のことであり公的関心になるとも見難い」と有罪理由を説明した。

反面、パク・シファン、キム・ジヒョン、イ・ホンフン、チョン・スアン、イ・インボク最高裁判事は「報道された内容は大企業が大統領選挙と検察組織に影響を及ぼそうとして行った不法行為であり、民主的憲政秩序の根幹を害するもので相当に重大な公益と関連している」とし無罪意見を出した。これらの判事は「8年前のことでも財界と政界などの癒着関係を根絶する装置が確立されたとは見難い状況や政治資金提供者として議論された大企業が我が国社会に及ぼす影響力などを考慮すれば報道の時宜性が認められる」とし「不法盗聴された当事者らの実名が公開されたが対話内容の重大さ、公的人物という点などを考慮すれば報道による利益が通信秘密の維持で得られる利益より優先する」と説明した。

キム・ソジュン聖公会大教授は「(Xファイル報道は)大統領選挙と関連して十分な社会的価値と公的機能がある懸案を扱ったと見る。権力を監視しなければならない言論としては当然の報道であった」として「8年でなく数十年が過ぎた懸案であっても、こうしたことが反復されないよう未然に防止することが言論本来の機能であるにも関わらず今回の判決は公益を口にしながら公益に目をとじた判決」と批判した。

キム・ナムイル記者、ムン・ヒョンスク先任記者 namfic@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/468582.html 訳J.S