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誤認射撃か 流れ弾か‘疑問の海軍銃弾’

原文入力:2011-02-08午前08:42:51(1440字)

キム・グァンス記者、クォン・ヒョクチョル記者

←三湖ジュエリー号の船員が7日午後、京畿水原の亜洲大病院を訪れ、ソク・ヘギュン船長を見舞った後、ソク船長の主治医であるイ・ククチョン教授と話している。 水原/連合ニュース

三湖捜査結果発表

ソク船長の銃創経緯 解明できず
医療陣が紛失したという弾丸
隠蔽の可能性も調査せず

三湖ジュエリー号を拉致したソマリア海賊を韓国に護送し、南海海洋警察庁が調査を行なったが、ソク・ヘギュン船長が銃創を負った経緯などを明らかにすることはできず、疑問が大きくなっている。

海洋警察庁が7日 発表した最終捜査結果を見れば、海賊たちは海軍青海(チョンヘ)部隊特殊作戦チーム(UDT)が先月18日武力で鎮圧に出ると、船員たちを操舵室の外に立たせ、接近してきた特殊作戦チーム隊員に射撃し3人に負傷を負わせた。3日後に海軍が第2次武力鎮圧に出るや、マホメット・アライ(23)は操舵室の床に伏せていたソク船長に銃撃を加えた。 この時、ソク船長の受けた銃弾のうち1発は海軍のものだった。

国防部と合同参謀本部は、海賊との交戦中に作戦チーム隊員が撃った銃弾が他の所に当たり弾かれた流れ弾である可能性に重きを置いた。作戦チームが三湖ジュエリー号のブリッジに進入した当時「ソク船長はすでに海賊に撃たれ床に倒れた状態」であり「作戦チームがブリッジに進入した後、近距離から正確に照準射撃を行ない海賊を射殺した」ということだ。したがって誤認射撃ではなくブリッジの構造物に当たって飛んだ‘流れ弾’の可能性が大きいという説明だ。 作戦チームは第2次武力鎮圧の際、甲板で1人、ブリッジ入り口で4人、ブリッジと階段の間で2人、倒れた船長のそばのブリッジで1人など計8人の海賊を射殺した。

だが当時の状況を再度考えてみれば、特殊作戦チームが海賊を射殺する過程で撃った銃弾にソク船長が直接当たった可能性を排除することはできない。船長のそばで海賊1人を射殺する程に状況が緊迫していたためだ。

にも拘らず、ソク船長を意識不明に陥らせた主要原因と推定される弾丸1個を医療スタッフが紛失したというが、海洋警察庁が主治医に経過書だけを出させ調査を終わらせ、疑惑を増大させている。 「海軍が無理な作戦を行なった」という批判が出てくるのを避けようとして弾丸を故意になくすか隠した可能性について、積極的に調査していない点も釈然としない。軍当局はこれまで、1人の海賊が船員たちの顔を確認した後、ソク船長だけを引張り出しAK小銃で銃撃を加えたとだけ説明してきた。
 
今回の捜査で、海賊が国際ブローカーから情報を得て三湖ジュエリー号をねらって拉致したのか、あるいは現在ソマリア海賊に抑留されているクムミ号と関連性があるのか、などを海洋警察庁が明らかにすることができなかった点も残念な部分だ。キム・チュンギュ南海海洋警察庁長官は「高級情報を持った親分級と副親分級の海賊が射殺された上、3段階通訳をしなければならないなど制約が多く捜査に限界があった」と話した。

釜山/キム・グァンス記者、クォン・ヒョクチョル記者 kskim@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/462188.html 訳A.K