原文入力:2011-02-06午後08:13:19(1394字)
健保改革 ヨーロッパに答えを探して
①ドイツの包括酬価制
②フランスの国庫支援
③専門家座談
キム・ソヨン記者
ドイツ、保障性高く 重症疾患も小額負担
韓国、非給与多く膝の手術でも数百万ウォン
先月4日、ドイツ、フランクフルト近隣のタルムシュタット ティブルク病院で会ったチオグェベル ティト(57)は鼻に呼吸器をつけたままベッドに横になっていた。重症慢性気管支炎を病んでいるティトは 「一週間前に突然呼吸困難でで応急室に運ばれた」 と話した。 入院後、ティトは各種検査と薬品治療などを受けた。 ‘病院費の心配はないか’ という質問に彼は「全くない」 として首を横に振った。ティトは「2年前に気管支手術をした時も 病院費はほとんどかからなかった」 として「周辺に癌で苦労している友人たちがいるが、お金のために悩む人は見たことがない」 と言い切った。 ティトは入院費として一日に10ユーロ(1万5000余ウォン)を払うことが全てだ。
慢性関節炎で5年を超えて苦労したキム・某(69)氏は先月、膝手術を受けた。20日ほど入院をしたが病院費が550万ウォン程かかった。それでも、嫁入りした末娘が看病をしてくれ150万ウォン程度を節約できた結果だ。キム氏は「この間 金がなくて手術を受けられなかったが嫁入りした娘が不足分を補ってくれて手術できた」 として「申し訳ない気持ちで一杯だ」 と話した。
2年前に肝臓癌に罹り移植手術を受けたハン・某(62)氏も、病院費として8000万ウォン程がかかった。 農作業をするハン氏は病院費のために土地まで売らなければならなかった。 彼は「最初は1億ウォン以上かかるという話を聞いて、お金の心配で不眠症に苦しめられるほどだった」 と話した。
ティトとキム氏、ハン氏の事例に見るように、ドイツと韓国では病気に罹った時の状況が大きく異なる。 両方とも ‘また健康を回復しなければならない’ という願いは強いが、韓国の患者たちはお金の心配で憂いが深くなる。癌や稀少難治性など重症疾患の場合には一層深刻化する。 両国の健康保険の保障性に差が大きいためだ。
患者が払う費用だけを見れば、ドイツではほとんど負担がない。 ‘非給与’ が殆どなく、本人負担の上限制もあり重症疾患や慢性疾患者はいくら診療費が多くかかっても年間所得の1%まで払えば済む。 18才未満と妊産婦、低所得層については全額無料だ。 ドイツの健康保険保障率は2008年基準で76.8%だ。 トラック運転手のティトは「恩恵をたくさん受けていて保険料で所得の7.5% (使用者が別途負担7.5%) を出すことも惜しくない」 と明らかにした。
これに反して韓国は、低い保障性のために患者本人の医療費負担が大きい。 健康保険保障率が2007年に64.6%から2008年には62.2%にむしろ低下した。 肝臓癌の手術を受けたハン氏は「民間保険に入らなかったことが悔やまれる」 と話した。
フランクフルト/キム・ソヨン記者 dandy@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/health/461952.html 訳J.S