原文入力:2011-01-28午後09:18:30(1677字)
パネラー交渉・台本まで主導
来月1日 地上波 生放送
放送労組 「下請け中継」と反発
イ・ムニョン記者
大統領府が一方的に企画して地上波放送会社は中継するだけの「大統領との対話」が旧正月の2日前に生放送される。 過去の同類の番組製作の時とは違い大統領府が対談者選定および放送台本作成まで直接主導しており、「地上波が大統領府の下請け放送か」という反発が噴出している。「大統領との対話が、国民との疎通よりはイ・ミョンバク大統領の言いたいことだけを極大化して発信できるように考案された」という指摘も出ている。
大統領府は「大統領との対話、2011大韓民国は!」というタイトルの「イ大統領新年対談」を来月1日、大統領府本館接見室で行なうと28日明らかにした。 地上波3社はこの日対談を午前10時から90分間生放送する。 対談は外交・安保(南北関係、韓米・韓中関係、自由貿易協定など)と経済(今年の経済運営計画と物価など)の二つの分野を中心に、2人がイ大統領と討論する方式で進められる。 チョン・グァンヨン翰林(ハンリム)大国際大学院教授とハン・スジン<SBS>アンカーが対談者として出演する。 キム・ヒジョン大統領府報道官は「昨年秋夕(チュソク)の時イ大統領夫妻が<KBS>の「朝の広場」に出演した頃から、今年の初めに放送座談会形式で懸案を扱う方案を検討してきた」と明らかにした。 撮影は主管放送社である<SBS>が引き受け、<KBS>と<MBC>は映像を受取り送出する。
論難は番組の企画と製作を初めから終りまで大統領府が主導するという事から始まった。 大統領府は「学界と放送界の推薦を受けて対談者を選定したし放送会社の作家と会議をしている」と説明した。 <SBS>関係者は「私たちはカメラと中継車だけ提供し、全体の企画と進行は大統領府がする」として「私たちは製作には何も関与していない」と明らかにした。 また他の関係者は「ハン・スジン アンカーは私たちが抜てきしたのではない。 企画に参加した「8時ニュース」の作家(フリーランサー)も<SBS>が送り込んだのでなく個人的にアルバイト次元で大統領府側と仕事をしている」と話した。 対談者のチョン・グァンヨン教授は「10日程前に大統領府から直接渉外要請がきた」と答えた。
結局、地上波3社は大統領府に中継システムだけ提供する「取り巻き」に転落した格好になった。<KBS>新労組は27日声明を出して「過去にも大統領の対談番組が放送されたことがあったが、少なくとも中継を引き受けた放送会社が基本的な対談形式と出演者および質問などを決めた」として「憲法と放送法が保障している言論の自由と放送編成の独立を全く無視した暴挙である」と主張した。
イ大統領の「わい曲された疎通方式」がまた露出したという指摘も多い。 イ大統領は就任後、様々な懸案について質問をやりとりする記者会見は一度もしていない。 イ大統領の記者会見といえば、各種の首脳会談と主要20ヶ国(G20)首脳会議の記者会見を除けば2008年の米国産牛肉問題だけに焦点を絞った特別記者会見が唯一(訳注:幅広くいろいろな懸案について記者とやり取りする記者会見は一度もなかった)だった。 多数のパネラーが質問して聴衆が見守る公開対話形式まで避けた今回の対談で、またもイ大統領の話したいことだけが電波に乗る可能性が大きくなった。 チェ・サンジェ全国言論労組委員長は「大統領府主導の奇形的製作方式に、イ大統領が放送を完全に掌握したという自信があからさまに表れている」と指摘し「放送3社の労組が力を合わせて共同対応していく」と話した。
イ・ムニョン、キム・ジョンピル、ファン・ジュンボム記者 moon0@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/media/461191.html 訳A.K