原文入力:2011-01-18午後08:00:10(2672字)
[現場]‘ソウル大 法人化反対’テント籠城一ヶ月
ソンチェ・ギョンファ記者、キム・ミョンジン記者
←ソウル大法人化に反対して籠城し30日目を迎えたソウル大学生たちが18日午後、ソウル、冠岳区のソウル大行政館前テント籠城場でチェ・ヨンチャン農経済社会学部教授(右側二番目)の講義を聞いている。キム・ミョンジン記者 littleprince@hani.co.kr
学生・教授・教職員‘交代籠城’
凍ってしまったミネラルウォーターのボトルを暖炉にあててみたが、なかなか溶けなかった。プラスチックボトルに入ったコーラもかちかちに凍りついたまま底に転がっていた。ソウル、冠岳区、新林洞のソウル大本館前に立った青色テント内に設置された電気カーペットと暖炉などはテントに食い込む寒風の前に対応できなかった。
この学校の教授と教職員・学生たちはこのテントで一ヵ月にわたり‘ソウル大法人化反対’を主張して篭城を行っている。昨年12月8日、国会でハンナラ党がソウル大法人化法案を十分な議論なしに強行処理した後、ソウル大法人化反対に志を同じくする学内構成員らが集まり12月20日テント籠城を始めた。月~木曜日は学生たちが、金曜日は教授らが、週末には教職員らが交代で当番に立ち今日まで一日ももれなく昼夜テントを守った。毎日昼12時に20~30人が集まり学内構成員を相手に広報活動も行った。学内構成員3000人の署名を集め、3月3日にはソウル大法人化法案廃止のための大規模集会も開く計画だ。
18日午前、テント籠城場で会ったチェ・ジョンベ(23・社会学4)氏は「ソウル大が法人化されれば授業料が引き上げられかねないことも問題だが、大学が企業化されることが一層憂慮される」として「寒くて大変だが今、法人化法案を戻さなければ大学の公共性は深刻に毀損されるだろう」と話した。
テント座り込みと広報活動にほとんど抜けることなく参加しているチェ・カプス教授(西洋史学科・ソウル大法人化阻止共同対策委員会常任代表)は「教授と学生だけでなく教職員らまで共に出たことは珍しいケース」として「ソウル大法人化はソウル大構成員だけでなく他の国立大にも大きな影響を及ぼす懸案」と強調した。
これらは法人化されたソウル大が研究・教育より‘金儲け’に没頭する可能性を大きく憂慮している。チェ教授は「大学が企業化されれば不人気基礎学問研究が粗雑にされる、財政が厳しくなれば自然に授業料も引き上げられる」として「さらに根本的には大学が示した社会に対する批判的省察まで消えかねない」と話した。キム・ミョンファン教授(英語英文学)も「成均館大の場合、三星の支援を受ける中で文科大教授が70人から53人に減った」とし「小雨に服がぬれるように基礎学問分野が危機を迎えかねない」と話した。
"法人化法 内部討論もなしに強行処理 長官推薦理事らで自由化されるか”
テント籠城を行っているこれらは法人化自体も問題だが、国会で‘強行処理’通過し昨年12月27日に公布された‘国立大学法人ソウル大学校設立・運営に関する法律’(ソウル大法人化法)が深刻な問題を抱いていると指摘する。この法律の一部条項に対してはソウル大法人化に賛成した教授たちでさえ憂慮を示している。
ソウル大法人化法はまず手続き的に正当な過程を経ていないという批判をかっている。キム・ミョンファン教授は「大学本部は公聴会や懇談会を経たというが、構成員の同意投票はもちろん、内部討論さえまともになされたことがない」と指摘した。学生たちと共に篭城に参加しているハン・ジョンスク教授(西洋史学)も「ソウル大法人化に対し賛否意見が分かれることは理解するが、関連法が何の議論もなしに国会強行処理という非知性的な方法で生まれたことは理解できない」と話した。
ソウル大法人化法には大学の自律性侵害が心配な部分も含まれている。最大15人で構成されるソウル大理事会の場合、半数以上が外部の人でなければならず、そこには企画財政部長官が指定する次官1人と教育科学技術部長官が指定する次官1人が入ることになっている。パク・ソンギュン教授(地理教育)は「そのような構成ならば大学の政府の顔色伺いが更に深刻になり、法人化に賛成する人々が主張してきた‘自由化’も事実上実現できない」と明らかにした。
授業料引き上げの可能性も高まった。ソウル大法人化法についている費用推計書を見れば、‘歳入展望’部分に産学協力団と発展基金を2011年から2015年までに各々868億ウォン、400億ウォンずつ大きく増やすよう計画されている。チェ・カプス教授は「ソウル大はすでに財政の70%以上を産学協力と発展基金で満たしているのに、今後何を通じてこれをもっと増やすということなのか不透明だ」とし「歳入展望がまともに推進されなければ財政を満たすことができる方案は授業料引き上げしかない」と話した。チェ教授は「たとえ外部から資金が十分に入ってきても、それは他の国立大に行かなければならない持分をソウル大が奪うようなものであり、他の国立大が枯死してしまうだろう」と主張した。
この間、ソウル大法人化に賛成してきたソウル大教授協議会も今回通過した法に対しては反対意見を示した。教授協議会会長であるホ・ムニョク教授(法大)は「今回公布されたソウル大法人化法は政府から毎年予算を貰って使うことになっており事実上、自由化確保が難しくなった」と話した。ホ教授はまた「特に2人の監査の内 1人が教科部長官の推薦する‘常勤’監査でなければならないという条項は、教科部長官がソウル大を掌握するという意が盛り込まれた毒素条項であり非常に深刻な問題を起こしかねない」と明らかにした。
チェ・カプス教授は「ソウル大がソウル大法人化法に対する修正案を提出していても国会の強行処理で遺憾を表明せずに歓迎意思を明らかにしたことは批判を受けて当然だ」とし「今回のテント篭城を通じてソウル大法人化法が廃棄され韓国高等教育問題に対する根本的な議論が進行されなければならない」と話した。
ソンチェ・ギョンファ記者 khsong@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/459381.html 訳J.S