原文入力:2011-01-17午前08:45:55(1690字)
‘口蹄疫 安全地帯’タサルリム(皆で暮らす)営農組合
外部人 規制・飼育頭数 制限
蜂の針 施術で豚の免疫力 高め
糞尿は有機農家の肥料に提供
地域畜産-農業好循環を牽引
パク・ジュヒ記者
←忠北、鎮川郡、草坪面のある豚農場でイ・ウクヒ タサルリム営農組合代表が子豚を抱きあげている。
忠北清原郡、梧倉邑塔里はビニールハウスがぎっしりと立ち並ぶ村だ。去る13日午後、キム・チョンドン(36)氏の家のビニールハウスを開けて入ると、甘いイチゴの香りが漂っていた。キム氏がイチゴを一つ取って味わう。化学肥料を使わない土地で農薬は使わずに育てたので、洗いもせずにそのまま食べられる。彼は父親が15年前から続けてきた有機農作業を受け継ぎ、弟と一緒にトマトとイチゴ、野菜を育てている。ビニールハウス入り口に大きなプラスチックの水タンクが眼につく。キム氏は「豚の糞尿で作った液肥(液体肥料)を入れたタンクだが、これが有機農作業の元手」とし「抗生剤で汚染されていない豚畜糞で作った安全な有機肥料」と自慢した。彼はこの‘健康な’液肥を無料で使う。
抗生剤を使わずに豚を育てるタサルリム営農組合のおかげだ。2002年に忠北、鎮川・槐山・陰城・忠州で畜産農民10人余りが「これまで私たちは豚ではなく抗生剤に汚れた良心を売ってきた」という反省と共に‘持続可能な親環境無抗生剤畜産’を宣言し営農組合を設立した。
この日午後、組合員が運営する豚農場近隣まで行ったが、農場の中を覗き見ることはできなかった。口蹄疫が一波万波に広がった後なので、外部人の出入りを統制している訳ではない。普段も外部人はなかなか農場内には入れない。どうしても必要ならば農場入り口で頭までシャワーを終えた後に入れる。抗生剤を使い密植飼育をした方式を果敢に捨てる代わりに‘徹底した防疫’を第一の原則にした。ウイルス感染を憂慮し飼料も3~7日間、農場外に積んでから中に入れる。イ・ウクヒ タサルリム営農組合代表は「隣人、知人たちが薄情だという程に厳格にした結果、口蹄疫感染地域が地雷畑のように広がっても組合農場はまだ安全だ」と話した。
飼育環境もすっかり変えた。飼育頭数も1㎡に一匹にならないよう維持している。以前、100頭を育てていた空間に80頭だけを育てているという。豚を隣の豚舎に追い立てておき清掃した後にまた入れた清掃方式を捨て、豚舎を空けた後に清掃と消毒、乾燥まで終え翌日に豚を入れる。おかげで近隣を通っても不快な臭いがほとんどしない。飼料は永く備蓄せず、三日分ずつ買ってすぐに食べさせる。温度と湿度を調整し、換気も徹底的に行う。蜂の針施術で免疫力を高める。おかげで抗生剤を使わなくともむしろ生産性は高まった。我が国の母豚一頭が年間に産む豚数 15匹より多い18~23匹を出荷している。
組合に属する農家15ヶ所が豚3万頭余りをこのように育てており、ここから出てくる糞尿を液肥にして近隣の3000haを超す有機農家らに供給している。豚一頭が広さ1000㎡の有機農地を支援しているわけだ。液肥1トンに1万ウォンずつを受け取るので化学肥料価格の30%以下の費用ですむ。組合が生産した豚肉は農協と生活協同組合等を通して販売される。親環境畜産が安全な肉類を生産することから更に進んで環境も生かす循環農業の出発点になっているということだ。
イ代表は「口蹄疫で畜産業が危機を迎えているが、この危機が持続可能な畜産に切り替える機会となりうる」として「既存方式に立ち帰り口蹄疫など家畜の病気に弱くなる今までの悪循環を切り、畜産と農業が好循環を実現する親環境畜産へ進むことが人と自然を生かす解決法」と力説した。
清原/パク・ジュヒ記者 hope@hani.co.kr
写真 タサルリム営農組合 提供
原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/area/459009.html 訳J.S