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ワクチン接種決めたが‘付け焼刃’対応…統制不能 危機 招く

原文入力:2010-12-30午前09:07:13(1644字)
口蹄疫防疫システム 徹底的失敗作
農食品部ワクチン接種検討時 全国拡散に備えず
接種地域 ちびちび 拡大…しかも豚は除外
政府が防疫・研究 独占し 地方自治体 対応 あたふた

キム・ヒョンデ記者

←メン・ヒョンギュ行政安全部長官とユ・ジョンボク農林水産食品部長官が29日午前、ソウル、世宗路、政府中央庁舎で口蹄疫関連緊急談話文を発表した後、全国市道知事と画像を通じ対策会議をしている姿がモニターに映っている。 イ・ジョンチャン先任記者 rhee@hani.co.kr

一ヶ月にわたり広がっている慶北安東発の口蹄疫事態は、政府の対応失敗が災難を拡大したという批判が出ている。初動対応が突破され、遮断防疫は数えきれない程の穴が開いていた。ワクチン接種を決めた後にも消極的対応に留まり‘誤った判断’をしたという指摘を受けている。一歩遅れて総力対応に出たが、手遅れになから騒ぐ対応の総体的失策はあまりにも大きな被害を産んでいる。

農林水産食品部は口蹄疫が慶北・京畿に続き 江原道に広がるや25日からワクチン接種を始めたものの、5ヶ市・郡に限定し、しかも発生地域半径10km以内にんみ接種する‘リング ワクチン接種’という方案を選んだ。豚は除いて牛だけを対象とした。

しかし、すでに防疫網を抜け出した口蹄疫ウイルスは、忠北にまで広がった。農食品部は一日二日かけてワクチン接種地域を数ヶ所ずつ増やし、30日には14ヶ所でワクチンを接種するに至った。

農食品部は口蹄疫が慶北地域に留まっていた去る8日‘口蹄疫ワクチン接種の問題点’という資料を配布した。ワクチン接種した家畜が‘保菌動物’となりウイルスをまき散らす恐れがあり、すべての偶蹄類家畜に接種する費用が992億ウォンもかかるとした。毎年接種しなければならず、口蹄疫清浄国の認定も受けることが難しくなるとした。

そうするうちにワクチン接種を決めた22日以後に配布した資料では‘血清検査で保菌動物を選び出し除去することができる’という論理を展開した。牛10万頭に2回接種するのに6億ウォン投じれば良く、ワクチン接種を終えて6ヶ月経てば清浄国地位の回復を申請することができると強調した。農食品部関係者は 「初めの資料は全国ワクチンを想定したもので、後日の資料は局地的なリング ワクチンを想定したもの」という苦しい弁明を出した。

安東で口蹄疫が発生した時、地方自治体公務員たちはその時になってマニュアルを持ち出した。口蹄疫発生に備えた訓練もしていなかった。関連予算が編成されているはずもなかった。以後、口蹄疫が全国に広がりながら、既存人材ではとうてい耐えられない状況に陥った。国立獣医科学検疫院の疫学調査専門家は10人余りだが、50人以上が必要な状況が広がったわけだ。

獣医科学検疫院が関連研究と情報を独占していることにともなう限界も指摘されている。検疫院は口蹄疫が1種法定伝染病であり、民間でウイルスを扱う場合、大きな災いを招きうるという点を憂慮し外部と遮断された研究室だけで作業をしている。しかし、こういう‘独占’は地方自治体に精密検査施設を支援せず、今回の安東発口蹄疫の初動対応の失敗を自ら招来した一因として作用した。

ある獣医学教授は「政府が民間学者には口蹄疫研究を任せることも、支援もしない」とし「検疫院が提供した資料の客観性と正確性を検証できる装置もないことが問題」と話した。

チャン・ヨンジュ国会立法調査官は「今後、口蹄疫対応は常時防疫システムに拡大しなければならず、関連組織と予算も確保しなければならない」と指摘した。
キム・ヒョンデ先任記者 koala5@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/area/456345.html 訳J.S