原文入力:2010-12-27午前08:12:19(1950字)
キム・テギュ記者
李明博政権3年目の2010年、年間を通じて検察は‘不良捜査’と‘状況伺い捜査’という2つの単語から自由になれなかった。盧武鉉前大統領秘密資金捜査など政権の序盤期に進行された事件で過剰捜査論難を起こしたとすれば、政権中盤に入り込んだ今年は権力と大統領側近がかかわった疑惑で‘不良捜査’という世論の厳しい視線を受けた。
検察はイ大統領の最側近であるチョン・シニル セジュンナモ会長に対する捜査をずるずる延ばしにし、最近になってようやく拘束起訴した。 チョン会長が起訴されるまで、捜査実務責任者であるソウル中央地検捜査1部長検事が3人も変わった。 チョン会長がナム・サンテ大宇造船海洋社長の再任のためにロビーをした事実はなかったということが捜査の結論だが、ロビーはせずに金だけが行き来した事件を処理するのに3年余りがかかったわけだ。
検察は李明博大統領の姻戚企業と呼ばれる暁星グループ2世らの会社資金横領疑惑がふくらんだ後、手をこまぬいていたが、昨年の国政監査等を通じて指摘を受けた。世論の叱責で捜査が進行されたが捜査が遅れる間に核心控訴事実の控訴時効がすぎ、最近の裁判所の免訴判決に口実を与えた。
大統領府など権力核心の関与情況が明らかになった国務総理室公職倫理支援官室の民間人不法査察事件では捜査を生ぬるくする‘意図的失敗’という非難に包まれた。 ‘グレンジャー検事’や‘スポンサー検事’のように、検察内部を揺さぶり社会的公憤を招いた大きな事件では‘手抜き捜査’という毒々しい視線を浴びた。
建設業者から事件請託の代価としてグレンジャーを贈られたチョン・某検事はわいろ疑惑で告発されたが、ソウル中央地検刑事1部は告発されて1年3ヶ月が過ぎた今年7月に無嫌疑処分をした。隠蔽されるところだった事件は去る10月マスコミの報道で世の中に知らされ‘手抜き捜査’という批判世論が沸き立った。 結局11月に特任検事は再捜査を始め、チョン検事が建設業者から1600万ウォンを追加で受け取った事実を確認した後、彼を拘束起訴した。
180度変わってしまった捜査結果について検察の一部では 「各種告訴・告発事件を1ヶ月に200件ずつ処理しなければならない刑事部の現実を勘案せざるをえないのではないか」という‘刑事部限界論’も出ているが、 「捜査を誰がどんな方式でするかにより結果が変わりうるという話なのか」という反論の前では論理破綻が見られる。ある弁護士は「検事1人が捜査すれば無嫌疑で、4名が捜査すれば拘束なのか」とし「検察の意志により事件結果が変わる状況を見て衝撃を受けたという人々が多い」と話した。
キム・ジュンギュ検察総長でさえ‘失敗した捜査’と自認した民間人査察事件は捜査意志の薄弱さを表わしたケースだ。 刑事1部を主軸にしたソウル中央地検捜査チームは捜査依頼を受けて4日後にやっと総理室押収捜索を行ったが、重要資料が全て隠滅された後であった。 のろま押収捜索は民間人査察の背後や上層部ラインを明らかに出来ない捜査失敗につながった。 検察は特に証拠隠滅を実行した総理室職員に大統領府チェ・某行政官が‘不法携帯電話’を渡した事実を明らかにしても、核心参考人であるチェ行政官をソウル市内のホテルで調査する屈辱的な姿まで見せた。
これとは反対に、1審で無罪判決を受けたハン・ミョンスク前総理の5万ドルわいろ事件捜査では‘政治風向き’に敏感な検察の過剰捜査を示した事例と指摘されている。 特に検察は5万ドル授受疑惑に対する1審無罪判決の後、建設業者ハン・某氏から9億ウォンを受けた疑惑でハン前総理を新たに起訴したが、ハン氏が法廷で「検察で偽りの陳述をした」と証言し、より一層大きな論難に包まれた状態だ。
検察内外ではこういう一連の捜査を巡り‘結局、問題は検察の無能ではなく捜査意志’という意見が多い。李明博政権の序盤期に政治的事件に検察が全力を尽くして集中した形と比較してみる時、検察組織や政権に不利な事件には信じられないほど不十分な捜査結果を出したことが検察の現住所ということだ。 ソウル地域検察庁のある検事は「グレンジャー検事や民間人査察事件は検察首脳部が事件担当配分をどのようにするかにより捜査結果まで左右できるという点を明らかにした」と評価した。
キム・テギュ記者 dokbul@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/455744.html 訳J.S