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"夫があそこいるようで" 遺族 嗚咽

原文入力:2010-12-01午後09:50:29(1102字)
[現場] 龍山惨事‘南一堂’が撤去された日

キム・ミンギョン記者

←1日午前、龍山惨事の現場であるソウル、龍山の南一堂建物の撤去作業が始まっている。【ソウル=ニューシス】

事件発生22ヶ月ぶりに歴史の中へ
真相究明委 "殺人鎮圧の真実は埋もれない"

淡々とした顔に涙が溜まった。"一度だけ入らせて下さい。"

1日午前9時15分、フォーククレーンがソウル、龍山区、漢江路2街の南一堂ビルを壊し始め、‘龍山惨事’で亡くなったユン・ヨンホン氏の妻ユ・ヨンスク(49)氏が泣き叫んだ。5階建物屋上で「心配するな、すぐ降りて行くから」と話した夫、故イ・サンニム氏の最後の姿が浮び上がったのか、チョン・ジェスク(68)氏も「まだ夫があそこにいるようで」として涙を拭った。

昨年1月20日、撤去民5人と警察官1人の命を奪った龍山惨事の現場 南一堂ビルがこの日、残った人々の涙を後に歴史の中に消えた。龍山惨事が起きて22ヶ月ぶりだ。南一堂ビルは去る10月20日、最後に残った借家人との合意が終わり、11月12日 龍山4区域撤去民に対する大法院判決が下され、速やかに撤去が決定された。

ウィーンいうフォーククレーンの音と水音、ブルブルゴンゴンと建物が崩れる音は一日中続いた。フォーククレーンが建物を数回打ち引っ張り、建物は間もなくやせこけた鉄筋だけが残る骨組みを現した。南一堂ビルがある龍山4区域は来週には、まだ合意にならない4ヶの建物など6ヶの建物だけを除き全て撤去される予定だ。

撤去された南一堂ビルの後方は荒涼としていた。遺族たちが置いて行った菊の花も建物撤去過程で出たホコリをかぶったまま転がっていた。南一堂近隣のある精肉店主人は「建物を撤去するのを見ると、ほっとする一方でやるせない」として「あの建物を見れば、悪いけど私はあのように戦うよりは、はやく金を儲けて店を用意していきたい」と話した。

‘龍山惨事真相究明および再開発制度改善委員会’はこの日午前、記者会見を行い 「撤去民だけが拘束されたまま殺人鎮圧の現場が埋められたが、真実は決して撤去できない」とし、龍山惨事2周年に追悼碑をたてる計画だと明らかにした。南一堂建物跡周辺には三星物産、大林産業、ポスコ建設などが超高層ビルを建てる予定だ。

キム・ミンギョン記者 salmat@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/451681.html 訳J.S