原文入力:2010-11-23午後08:10:22(1674字)
キム・ジョンウン 後継世襲後 初の軍事攻撃…内部結束用? 交渉用?
韓半島 緊張させ内部動揺 遮断
対米交渉力 有利な高地 先行獲得 意図
北韓‘急迫した事情’があった可能性も
南側 軍事訓練への正面対抗は表面的理由
ソン・ウォンジェ記者
←北韓、延坪島砲撃
北韓による23日の延坪島砲撃は韓国戦争休戦以後、その類例を探しにくい強力な軍事的挑発だ。この間に起きた数回の軍事的衝突とは異なり南側の民家と民間人まで無差別的に攻撃対象とした。また、この間 西海交戦など海上での衝突はあったが、わが方の領土を直接ねらった攻撃は70年代以後には初めてだ。
北側はひとまず南側の護国訓練を今回の砲撃の名分としている。北側はこの日午前、護国訓練を‘北韓に対する事実上の攻撃’と非難する通知文を南側に送った。
しかし護国訓練は1996年以来、毎年開かれてきた例年訓練だ。この日の砲撃を南側訓練に対する単純な軍事的対応と見るのは難しい。今年の護国訓練に北側の危機心を刺激するほどの特別な内容が含まれていたかはまだ確認されていない。西海北方境界線(NLL)側で戦団長を務めたある前職海軍提督は「延坪島は北韓海岸と最も近く砲撃がやさしく正確度が高いという点のために砲撃地点に選択されたのだろう」として「民家までねらったという点で単純に護国訓練に対する対応と見るのは難しい。他の意図性が高いようだ」と指摘した。
今回の砲撃が過去と異なる軍事的行動類型を示したのは、北側内部の急迫した事情に由来するのではないかとの分析が提起されている。キム・ヨンス国防大教授は「北韓が今回のように韓半島危機指数を引き上げる挑発パターンを見せたのは、後継体制安着過程で何か問題が生じたためである可能性がある」と話した。後継体制構築過程で提起される重大な挑戦を克服するために、高強度の対内外的衝撃を加える必要が生じたのではないかということだ。
今回の砲撃を通じて北側は対内的には先軍を強調するキム・ジョンウン後継体制を中心に結束を強化する効果を期待できる。南側との軍事的対決局面で金正日の先軍路線を継承したキム・ジョンウン後継体制を中心に対処する方法以外に他の代案がないという雰囲気を作ろうとした可能性もあるという分析だ。
対外的にも強硬な軍事的手段を通じて米国と韓国政府の対北韓基調変化を引き出すことにより、結果的にキム・ジョンウンの指導力を宣伝・強化しようとしたという可能性も議論される。北側は北-米関係改善のために最近ウラニウム濃縮のための遠心分離機まで公開し外交折衝戦に出たが、まだ米国側の明らかな態度変化は見られない。韓半島危機指数を引き上げる場合、米国が情勢管理のためにやむをえず北側との協議にはいるという計算をした可能性もある。
南側もやはり最近の北側の相次ぐ‘対話攻勢’にもかかわらず‘大規模支援および金剛山観光再開不可’の態度を守っている。国策研究機関のある専門家は「最近、統一戦線部中心の宥和攻勢が受け入れられず、ショック療法で南側社会を揺るがし‘韓国内葛藤’を触発することにより対話に出させる圧力を南側政府に加えた可能性もありうる」と話した。
北側が軍事的危機造成を通じて後継体制の安着のための対内外的成果を企てる側に方向を定めたのであれば、当分、南北間衝突の可能性が高まるという憂慮が出てくる。南側と米国の対応方向も重要な変数になるものと見られる。キム・ヨンス教授は「こういう状況では北韓の策略とは逆に、韓国と米国の対北韓協商派の位置づけがより一層萎縮する可能性が高い」として「来年上半期までは韓半島危機指数が継続して高くなりえるだけに状況管理のための政府の冷徹な対応が必要だ」と話した。
ソン・ウォンジェ記者 wonje@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/450214.html 訳J.S