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大学序列化 破る第一歩は‘国公立大統合ネットワーク’

原文入力:2010-11-22午前08:51:17(3846字)
[創刊22周年企画 大論争] 韓国社会の未来を語る
26大学‘一つの体制’括り共同で選抜・学位授与
国公立大 無償教育 実現 私立大に‘学生集中’制動

イ・ジェフン記者

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[韓国社会の未来を語る] 3部 政策を語る-教育

?進歩政党の政策代案

累積訪問者数が160万人のブログ‘ドイツ教育の話’運営者パク・ソンスク(ドイツ アーヘン市居住)氏は去る12日‘ドイツはビリと一等が同じ大学の同じ学科に入学することも’という文を載せた。大学が平準化したドイツでは、学生の大部分は住んでいる地域に近い大学の希望学科に入学することを希望し、いくつかの基礎科学分野学科は支援者が常に未達でドイツの大学入学資格試験‘アビツアー’にさえ合格すれば誰でも入学できるという話だった。大学での勉強が可能か基礎学力だけを評価するアビツアーは不合格者が殆どいないので、結局‘ビリ’と基礎科学学科に行くことを願う1等が同じ大学の同じ学科に通うことがありうるというのがパク氏の説明だ。彼は「ドイツの大学では通常 入学生の50%だけが卒業する。ドイツの学生たちに‘勉強はいつするのか’と尋ねれば、‘大学へ行ってする’と答える」と話した。

結局、キーワードは大学の平準化だ。韓国社会ではこういう教育環境が全く不可能な夢だろうか。民主労働党と進歩新党も韓国教育改革の1順位政策として大学序列化の解体を挙げる。両党が揃って大学序列化解体のための政策代案として提示している国公立大統合ネットワークの概念と両党の学閥社会打破方案を紹介し、これに対する専門家たちの助言を聞いてみる。

2009年現在の韓国の4年制大学177ヶ所の内、私立大は151ヶ所で全体の85.3%に達する。国立大は24ヶ所、公立大は2ヶ所しかない。解放以後、農地改革の渦中で政府は教育環境造成のために大地主たちに土地を学校財団として登録すれば農地改革対象から除外するという方針を明らかにした。土地を失うことを恐れた大地主らは先を争って私立学校を設立した。さらに5・31教育改革案発表以後、私立大の自律性は持続的に大きくなり、今や彼らの貪欲は統制が難しい状況に達した。そのために進歩政党らは大学序列化解体の出発点を‘国公立大統合ネットワーク’に捉えている。

■国公立大統合ネットワークの概念
ソウル大を含め全国国公立大26ヶ所を一つの巨大大学体制に統合し、新入生を共同選抜し、卒業学位も共同であたえる方案だ。学生が高校内申と大学入学資格試験の内の一つの要件を充足すれば国立大入学資格を与える。学生が1~3志望を定め志願すれば居住地を考慮し抽選で入学する大学を配分される。大学に入学すれば、国立大のどこででも単位を履修でき、卒業生に同等な‘国立大学学位’(国家認証卒業証書または、国立大共同学位)を受けることができる。フランス、パリの名門大学だったソルボンヌ大学がこの体制で国立大の一部門に変わり‘パリ4大学’になったように、ソウル大も‘韓国26大学’と名称と地位が変われるようになる。

入学定員は厳格な学事管理にともなう中途脱落を考慮し、卒業定員の150%に策定する。厳しい勉強は大学で行う体制を作ろうということだ。特に大学序列の頂点であるソウル大の場合、学部生集中を防ぐため、法大、医大、薬科大、経営大などいわゆる‘人気学科’は専門大学院体制に転換する。

■‘国公立大統合単科大体制’方案
民主労働党は国公立大統合ネットワークを土台に追加的な代案を提示した。民主労働党は現在のように地域別総合大学体制が維持されれば国公立大統合ネットワークを実施しても地域国立大間の序列を克服しにくいと見ている。そのために各地域総合国立大を一つまたは二つの単科大に再組織する‘国公立大統合単科大体制’を提案している。例をあげれば釜山大は社会科学大、全南大は人文大教育だけに特化する方式だ。

合わせてソウル大を不人気な純粋基礎学問単科大にすれば、ソウル大中心序列化が少しずつ解消されうると民主労働党は見ている。ソン・ウジョン民主労働党新しい世の中研究所研究委員は「まず国立大を単科大体制に転換した後、私立大に対する国家支援を順次縮小し不良私学は退出させたり国立大体制に吸収し育成することになるだろう」と明らかにした。

■無償大学教育が本質
国公立大の序列が解体され、ソウル大の独占地位が消えれば、学生たちが私立名門大へ集中しないだろうか。進歩政党はこれに対する解決法として‘国公立大無償教育’を提示した。

民主労働党は年間授業料が1000万ウォンに肉迫する私立大とは異なり、国公立大の授業料を窮極的に‘0ウォン’にし、学生たちの選択を誘導するという腹案だ。民主労働党は1段階方案で‘所得連係型授業料上限制’を提示した。世帯の年間収入の12分の1を授業料上限額に設定する政策だ。続いて2段階では、企業分担金または企業教育税を賦課しこれを教育費に切り替え国公立大無償教育を実現する。

進歩新党は更に具体的な日程表を提示した。1段階では授業料を世帯所得水準により差別策定する。今年の国公立大年間平均授業料は447万ウォン程度で私立大(753万ウォン)の59.4%水準だ。この金額を土台に推算すれば、所得下位10%の低所得層は無償教育、下位2~3分位は25%(111万ウォン),中下位4~6分位は50%(238万ウォン)を払う。2段階では高等教育税法を作り国公立大無償教育を実施する。そのために300大大企業法人税の15%を高等教育税として賦課する‘養賢庫特別会計’方案を出した。養賢庫は高麗と朝鮮時代の国立大である国学と国子監、成均館の無償教育支援機構だ。チャン・ソクチュン進歩新党想像研究所研究企画室長は「企業が大学キャンパス内に企業名を付けた建物を作っている状況で、これを公的財源に回すよう世論を造成できるだろう」と話した。

このようになれば2009年現在の国公立大生42万944人の150%にあたる63万人余り(全体大学生の31.8%)が国公立大ネットワークで段階的に無償教育を受ける環境が造成されるというのが2つの政党の見解だ。ソン・ウジョン研究委員は「結局、ソウル大水準の大学が全国あちこちにできる大学上向平準化がなされ、これは国土の均衡発展に繋がる」と話した。

イ・ジェフン記者 nang@hani.co.kr
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学閥社会打破 代案は

学歴・学閥差別を禁じ、破れば制裁
採用・賃金・昇進など公正に
‘同一労働 同一賃金’確立してこそ

韓国の人々は初めて会いお互いを紹介する席で大部分が5番目の質問までに出身大学を尋ねる。相手を認識する枠組みが‘学閥’に帰属している。人が学閥によって規定されるという点で、‘現代版身分制度’と呼ばれるに値する。

民主労働党と進歩新党は学閥社会打破のための方案として‘学歴・学閥差別禁止法’を提示した。予告法案を見れば、すべての採用と賃金水準策定、教育と訓練、人事配置と昇進、解雇や退職などにおいて学歴と学閥を理由に差別や機会制限をできないようにしている。例外は労働部長官が定めた‘職務関連標準学位水準’による場合だけに制限した。大学教授や専門研究員などがこれに該当する。

法を犯す場合、賦課する制裁措置も明示した。民主労働党は予告法案で‘3年以下の懲役または3000万ウォン以下の罰金に処することができる’と規定した。進歩新党は‘是正命令を履行しなかった時は3000万ウォン以下の履行強制金を賦課する’と明示した。また、進歩新党は企業がこれに従わなかった場合には高等教育税を追加徴収する方案も提示した。

民主労働党は合わせて勤労基準法や非正規職法に‘同一労働 同一賃金’の原則を確立してこそ学閥による差別が消えると見た。同じ職種で同じ仕事をするのに、学位水準により賃金とその他福祉などで差別があってはならないということだ。ソン・ウジョン民主労働党新しい世の中研究所研究委員は「学歴による差別の禁止は労働市場進入段階と労働過程で現れる差別を禁止しなければならない」とし「すでに法制化した性別または、障害者差別禁止と一脈相通じる趣旨」と話した。

進歩新党も非正規職など雇用形態により学歴にともなう差別が発生するので、労働市場を変えなければ教育に‘投資’し学閥を確保しようとする国民認識が変わらないと見た。進歩新党は学閥の集中度が最も高い高位公職者集団の学閥解体のために‘地域均衡人材登用制度’を提示した。チャン・ヘオク進歩新党想像研究所理事は「国公立大統合ネットワークと連係し、高位公職者採用と医師資格証試験、各種告示などの合格者数を地域の人口比により割り当てる制度」として「特定大学出身の公職者比率が10%を越えないように調整すれば、学閥社会解体の端緒を探すことができるだろう」と話した。イ・ジェフン記者

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/449834.html 訳J.S