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持ちこたえるヒョン・ビョンチョル…‘人権 国格’限りなき墜落

原文入力:2010-11-15午後08:55:44(1499字)
人権委 専門委員など61人 追加辞退
大統領府‘ヒョン体制’庇護に 市民社会 "不通政府" 反発

ソン・ジュンヒョン記者、キム・ミンギョン記者

←キム・ミヨン ソウル家庭問題相談所長(右側から),キム・トクチン天主教人権委員会委員、イ・スホ前民主労総委員長らが15日午前、ソウル、中区、武橋洞の国家人権委員会で人権委が委嘱した専門委員・諮問委員・相談委員61人が署名した辞退書と委嘱状をソン・シムギル人権委事務総長(左側)に渡している。 キム・ポンギュ記者 bong9@hani.co.kr

トントントン!  "人権委専門委員、諮問委員たちです。辞退願いを持ってきました。ドアをちょっと開けて下さい。" 国家人権委員会が委嘱した専門・諮問・相談委員250人の内、61人が15日 ヒョン・ビョンチョル人権委員長に辞退書を持っていった。しかし人権委13階委員長室のドアは開かれなかった。人権委は今どんな要求や主張、批判も通じない‘不通’状態だ。

ムン・ギョンナン、ユ・ナムヨン2人の常任委員がヒョン委員長の独断的な運営を批判し揃って辞退した以後に続いた人権委の跛行は結局、ヒョン委員長の辞退可否を巡り全体市民社会陣営と李明博政府が対決する様相になっている。全国621ヶの人権・市民団体をはじめ、人権委内・外部の多くの人々がヒョン委員長の辞退を促した。

市民社会がこのように執拗に出るほかはない背景には、人権委が持つ象徴性に対する愛情と、現在の人権状況に対するいらだちがある。

パク・チャンウン漢陽大法学専門大学院教授は「人権委は国家権力が主導して作ったものではなく、市民社会の執拗な要求を政治権力が受け入れた結果」として「今の人権委の状況は人権問題後退などに対する本質的な憂慮もあるが、市民社会陣営の自尊心問題となった」と分析した。人権委自体が人権運動をする人々にとって大きな傘のような存在であり、解放後50年間、我が国人権運動の大きな決算なのに、その人権委が根元から腐っていきつつあるという危機感を感じているということだ。パク教授は「国際社会から肯定的注目をあびたりもしたが、こういう状況が10年も経たない内に頓挫しようとしていることに一層大きな衝撃を受けたようだ」と付け加えた。

今回の人権委跛行を見守る政府や大統領府の態度も事態悪化に影響を与えたと見られる。パク・ウォンソク参与連帯協同事務局長は「今までヒョン委員長や大統領府、政府の態度はこのまま行くということ」と分析した。現政権と市民社会との対立点はイ政府初期からあったが、今回の人権団体の辞退要求を遠慮なく無視し市民・人権陣営の最後の自尊心に触れたという分析だ。

ホン・ソンス淑明女子大法学部教授は「保守勢力側が保守-進歩対立構図へ推し進めたように見える」とし「だが、今回署名した法学者たちは保守側の人も多かった」と話した。人権問題を理念問題に追い込もうとする試みに対する警戒だ。

一方、アジア人権委員会はこの日 国家人権機構国際調停委員会(ICC)に書簡を送り 「現在の韓国人権委の状況に深い憂慮を表明し、ICCの担当事項中すべての手段を動員し措置をとること」を要求した。
ソン・ジュンヒョン先任記者、キム・ミンギョン記者 dust@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/448810.html 訳J.S