原文入力:2010-11-04午前08:17:40(2939字)
政府広報物にネズミの絵を描き連行 "戒厳状態でもないのに…"
"担当刑事も驚き警察庁長・大統領府に報告されたので…"
ホ・ジェヒョン記者、キム・トソンPD
←政府広報物にG20風刺画を描き拘束令状が請求されたパク・某氏は3日午後、取材陣と会い 「警察の調査を受けている間、上の人の命令で捜査を補強するという話を聞いた」と明らかにした。映像キャプチャー. キム・トソンPD kdspd@hani.co.kr
"風刺画を描いたからと令状申請することが我が国の国家の品格ですか?"
先月31日、ソウル、鍾路区のロッテデパート周辺で‘G20公式ポスター’に風刺画を描き警察に連行されたパク・某(40・大学講師)氏は虚しそうに苦笑いをした。
パク氏はこの日、同僚とともに13ヶの絵を描き連行された後、去る2日夜遅くに解放された。しかし警察はパク氏など逮捕された2人に対し暴力行為など処罰に関する法律違反(共同損壊)疑惑で拘束令状を申請し、過剰対応論難がおきている。拘束令状を申請したチョ・チャンベ南大門署刑事課長は「重要な国際行事を控え、国家の品格を高める国家広報物を汚すことが(市民の)正常な思考とは考えにくいうえ、懸案が軽くないと判断し拘束令状を申請した」と明らかにした。
パク氏は3日<ハニTV>と会った席で 「警察が市民を風刺さえ出来ないようにしている」として「国の品格を傷つけているのは警察」 と皮肉った。パク氏は風刺画を描いた理由について「(G20会議には賛成するが)これを準備する政府の態度が過度に硬直していた」として「それを風刺したかっただけ」と話した。
パク氏はまた「G20会議を戒厳状態のように準備するのではなく(政府政策に批判的な国民まで)共に参加できる祭りのように行うことを望む」と注文した。
パク氏はまた、当初警察が単純財物損壊疑惑で調査をし‘上層部ライン’の指示で‘公安事件’に拡大したと主張した。パク氏は「担当警察官が上層部ラインの指示を受け再調査をするとし、背後勢力が誰なのか根ほり葉ほり問い質した」とし「(調査した)警察官もあきれていたよ」と話した。パク氏は「私がどうしてこんなにまでしなければならないのかと警察官に尋ねたところ、警察庁長に報告され大統領府にも報告されたので、そうなったのではないかと言っていたよ」と伝えた。
パク氏の弁護を引き受けたパク・ジュミン弁護士は「わずか数ヶ月前にもソウル市広報ポスターに大学生たちが風刺文を書いたのが放送に出てきたが、何の問題にもならなかった」とし「警察がG20を控え見せしめにパク氏をこらしめてくれようとしたようだ」と話した。
パク氏は国文学を専攻した後、現在ソウルのある大学で現代文化などを教える講師として仕事をしている。以下はパク氏と交わしたインタビュー一問一答だ。
-風刺画(グラフティー)はなぜ描いたか
=G20という祭りを、それなりの方式で楽しみたくて描いた。現在G20を準備する方式が過度に幼稚でやぼったいと考えた。世界金融危機に対処するために各国首脳らが会議をするのは当然のことだが、ちょっと淡々と受け入れてもかまわないと考える。あたかも‘88オリンピック’を行うように、この会議を一度行えば中進国から先進国に行くように広報したり、政府が市民に突然に基礎生活秩序を強要し、公務員を総動員し非常勤務に立たせることなどが過度に見えた。また、G20を政府の政治的功績として広報し、膨らませるのも良く見えなかった。こういう問題意識を滑稽で芸術的な方式で風刺したかった。
←G20広報ポスターにネズミの絵。ホームページを飛び交う写真。
-風刺の絵の‘ネズミ’はイ・ミョンバク大統領を意味するものなのか
=それは違う。Gを‘ネズミ’(訳注:ネズミの韓国語は"チュイ")の絵に変えたのはアルファベット発音から借用した言葉遊びに過ぎない。しかし誰でも思いのままに解釈できる自由があると見る。
-風刺の絵を描けば法的に問題になることは予想しなかったのではないか
=予想はした。グラフティーが韓国社会で合法と不法の間にある芸術の領域ということぐらいは知っていた。だから財物損壊で立件されること程度は予想した。だが、警察が拘束令状を申請するとは予想できなかった。
-警察は調査で何と言っているか
=調査を引き受けた担当刑事は、初めは単純な財物損壊程度の疑惑で調査をした。ところが上から電話を受けると追加調査をしたよ。担当刑事でさえも、この程度のことで公安事件を扱うように再調査することに驚いていた。以後、警察は‘誰の指示を受けてこういう行為をしたのか’、‘左派団体に所属しているのか’等を尋ねた。私がどうして‘ここまでするのか’と警察に尋ねると‘警察庁長に報告され大統領府にも報告されたので、そうではないか’と答えた。
-政府はG20が国家の品格を一段階成長させることのできる良い機会だからすべての国民の協力を注文している。
=国家の品格は国家の人格を意味する言葉だ。表現の自由とユーモアを包容する器の大きさを意味する言葉だ。この程度の風刺も理解できなくて一罰百戒すると出ることが、むしろ国家の品格を落とす行為だ。
-警察は“国家の品格を高める国家広報物を汚すことが正常な思考と考えにくく、懸案が軽くないと判断し拘束令状を申請した”と話した。これに対してどう思うか。
=国の仕事に無条件‘ハイハイ’といいながら賛成し、何の批判もしないならばそれがかえって非正常的な社会だ。
-G20会議を妨害する意図がなかったか
=邪魔する意図があるならば火炎瓶を持って示威をする方がより良かっただろう。G20会議をするのは良いが、わが政府が会議を準備する方式と関連してアゴラに文を残すように批判的メッセージを描くということを通じて伝達しようとしただけだ。
-国家の行事に国民が最善を尽くし協力することが必要だという認識があるのも事実だ。
=それは公務員が持たなければならない認識であり、市民の認識ではない。国家政策に無条件に協力しなければならないということは全体主義的考えだ。市民ならば多様な意見を表現するべきだ。
-今後、G20回の準備がどうなったら良いと思うか
=G20会議を一つの祭りのように準備すれば良い。何か戒厳状態のように市民の表現の自由を固く締めつける方式は止めれば良いだろう。G20会議から疎外された貧しい人々もG20を共に楽しめるように配慮すれば良い。G20期間に民主主義が拡張されるべきであり、かえって後退してどうなるか? 世界が私たちを注目している。
文ホ・ジェヒョン記者、映像キム・トソンPD catalunia@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/446934.html 訳J.S