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朝鮮日報 広告・法務部、人生は美しくない?

原文入力:2010-10-07午前10:43:11(2888字)
"‘人生は美しい’同性愛 煽り" 広告に続き拘禁施設放映中断 論難

人権団体ら "エイズに対する誤った偏見 助長、少数者人権侵害" 反発

イ・チュンシン記者

←"ドラマを見てゲイになった我が息子がエイズにかかり死んだらSBSが責任を負え!"という広告がある日刊紙に載せられた。‘正しい性文化のための国民連合‘と‘真の教育 母親全国会‘が作ったこの広告は、同性愛嫌悪症という批判とエイズ発病原因に関して無知だという評価を受けている。映像キャプチャー/チョ・ソヨン PD

 "<人生は美しい>を観て‘ゲイ’になった私の息子がAIDSで死んだらSBSは責任を負え" という刺激的な文句を前面に掲げた広告が社会的葛藤を煽り論難が起きている。

 ‘正しい性文化のための国民連合(パ性連)’と‘真の教育 母親全国会’が同性愛を主題として扱っているSBSドラマ<人生は美しい>を非難する広告を先月29日<朝鮮日報>に掲載したことが発端になった。この広告には「同性愛者のエイズ感染確率が一般人に比べ730倍高く、同性愛の拡散は先天的な要因より文化的な要因」のためだという内容が含まれているが、パ性連は 「SBSがドラマを通じて同性愛を美化し、煽っている」と非難した。

 これに対し、同性愛者人権連帯は「同性愛嫌悪を助長し同性愛者の人権を侵害し、エイズに対する偏見を強めている」として広告を出した2団体を強く批判して出た。同性愛者人権連帯は6日、記者会見で「広告は反人権的で非常識な虚偽事実で埋め尽くされている」とし 「同性愛者とエイズ感染者の人権を踏みにじり社会的多様性を攻撃した」と明らかにした。また「両団体が根拠のない社会的恐怖を助長している」とし「差別禁止法制定により社会的弱者と少数者の人権が保障されなければならない」と主張した。

 これに先立ちパ性連が朝鮮日報に掲載した広告に対し、<人生は美しい>台本を執筆しているキム・スヒョン作家とタレント ホン・ソクチョン氏が自分たちのツイッターとブログに文を載せ、両団体の動きを批判した。キム・スヒョン作家は、広告が掲載された先月29日、自身のツイッターに「インア(人生は美しい)を見てゲイになった我が息子がエイズにかかれば云々という広告が出たんですって。話にもならないですね」と言い「ところでメジャー新聞なのにお金さえ出せば話にならない広告でも受け入れるようです」として広告と広告を載せた<朝鮮日報>の姿勢を皮肉った。タレント ホン・ソクチョン氏も「それを見て息子がゲイになるとは、広告が聞いてあきれる」として「そのような広告を出した方々は同性愛者の人権だけでなくエイズ患者の方々の人権も踏みにじること」と強く批判した。

 このような広告を載せたパ性連と真の教育母親全国会は、同性愛美化ドラマが青少年に悪影響を及ぼすと主張する。匿名を要請したパ性連のある幹事は「同性愛を美化し、同性愛に対する拒否感をなくすドラマを作り、同性愛の拡散が心配だ」と話した。彼(女)は 「同性愛者の人権も重要だが、文化波及力が強い公衆波放送で子供たちの好奇心を誘発しかねないドラマ放映が心配だ」とし「そのようなドラマを見て青少年が好奇心で同性愛者になる恐れがあるということを誰が否認できるか」と反問した。‘真の教育母親全国会’パク・ヒョソン代表も「まだ価値観が形成されていない子供たちがドラマを見てまねればどうなるか」とし「SBSが放送会社の利益のためにそうするならば、育ちゆく青少年に大きな犯罪を犯すこと」と話した。

 広告を掲載した両団体関係者たちは、先天的な要因で同性愛者になるのではなく後天的で文化的な要因から同性愛者になると主張した。パ性連幹事は「同性愛は大部分が文化のそそのかし」としつつ「地方には少ないが都市には相対的に多くできるという統計がある」と話した。また「同性に性暴行された人々の中に同性愛者が多い」と付け加えた。

 同性愛者人権連帯はパ性連が‘同性愛者のエイズ感染率が一般人に比べ730倍’としてUN報告書に言及したことは、全く事実ではないと明らかにした。チェ・ヨンジュン翰林大教授は先日、報道機関寄稿を通じ‘同性愛者の人生はそんなに幸せではない’と話したキル・ウォンピョン パ性連実行委員の主張に反論した。チェ教授は「キル・ウォンピョン教授は‘同性愛=エイズ’という図式を立証することに執着し、都合の良い統計を選び、その解釈もわい曲した」と話した。チェ教授は「何の根拠もなしに同性愛者をエイズの主犯に追い詰める論理は、近来まれに見る最も低劣な差別と偏見、抑圧の事例」と指摘した。ウ・ソッキュン保健医療団体連合政策室長はこの日「パ性連の広告はエイズに対する偏見までも同時にまき散らしており、罪質が非常に悪い」とし「正しい性文化を語る前に最小限の人権意識から持って欲しい」と話した。

←6日午前、ソウル、鍾路、普信閣前で同性愛者人権連帯など市民団体会員たちがドラマを非難し同性愛嫌悪を助長する‘正しい性文化のための国民連合’と‘真の教育母親全国会’を糾弾する記者会見を行った。 映像キャプチャー/チョ・ソヨン PD

 パ性連は性的指向で差別を受けないようにする条項を差別禁止法案に入れることにも反対した。パ性連幹事は「少数の同性愛者の人権も重要だが、同性愛を憂慮する多数の人権も重要だ」と主張した。これに対し、同性愛者人権連帯は「差別禁止法案を同性愛を煽る法案として罵倒している」とし「差別と嫌悪に露出している同性愛者に対する差別を緩和するため、性的指向を差別禁止理由とするのは極めて当然だ」と反論した。

 法務部も同性愛差別論難から自由ではない。法務部は去る8月9日<人生は美しい>が放送初期の企画意図とは異なり同性愛に対する比重が高まり教化放送の意図と合わないとし、拘禁施設内で中間放映終了した。人権団体はこれに対し「同性愛を差別し、同性愛者の人権を深刻に侵害する行為」とし、是正を要求して出た。韓国ゲイ人権運動団体‘チングサイ(友人間)’、韓国性的少数者文化人権センター、天主教人権委員会は「韓国社会の少数者の人権を保護し、差別を防止しなければならない義務を持っている法務部と国家が、反対に同性愛差別を助長し少数者の人権を侵害した」と明らかにした。人権団体らは人権侵害行為の中止を要請し、法務部の正確な立場を聞くため質問書を発送した状態だ。パ性連が<朝鮮日報>に掲載した広告が触発した同性愛差別と同性愛者人権侵害問題は、拘禁施設での同性愛差別問題まで加わり論難がより一層強まるものと見られる。
イ・チュンシン記者 cslee@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/442644.html 訳J.S