原文入力:2010-08-23午後08:07:34(1142字)
昨日開かれた国会人事聴聞会でチョ・ヒョノ警察庁長官候補者が見せた姿は、彼が治安総帥としてすべての面で資格未達であることを確認させてくれた。彼は正直でも率直でもなかった。自身の発言に責任を負おうともしなかった。核心を避ける的外れな答弁でどうにか足の甲の火だけを消してやり過ごそうとする態度は、煩わしいことこの上なかった。
関心の焦点である‘盧武鉉前大統領借名口座’発言に対し彼は 「申し訳ない」という言葉だけをオウムのように繰り返し、結局 「そのような内容がインターネットに掲載されていたではないかという趣旨で話したこと」と答えた。正確な情報や根拠があってした話ではなく、単なるインターネット上に飛び交うウワサを持って言った話であったことを認めたのだ。彼の発言が呼び起こした途方もない政治・社会的波紋を考えれば、本当に空しい結末に他ならない。借名口座調査特検を導入しようと主張してきたハンナラ党も、逐鷄望籬(鶏を追った犬が屋根を見上げる)になってしまった。
それでもチョ候補者は「特検問題は国会で決める懸案」と言い逃れた。特検論自体がもともとは自身の無駄な発言から始まったことなのに、今になって特検をしようがしまいが自身は与り知らないという式だ。こういう二律背反的で無責任な態度は「盧前大統領と遺族たちに心より申し訳ない」という言葉が真正性を持っていることなのかすら疑わせる。
巨額の不祝儀論議に対してもチョ候補者はきちんとした解明を出すことができなかった。母親の法事の不祝儀で何と1億7千万ウォンを得てファンドに入れたというのでは、一般人としては理解しがたい。不祝儀は5万ウォン以下だけ受け取れとの警察倫理綱領が紙くずになってしまっただろうことは火を見るより明らかだ。母親の法事を一儲けの機会と思わない限り、高位公職者としては考えにくい不適切な身の振り方だ。
彼を巡る法的・道徳性是非は放言論難や億ウォン台の不祝儀問題だけでなく、偽装転入、無理な実績主義的組織運営など、指でいちいち数え挙げることも大変なほどだ。特に偽装転入は治安総帥になるには致命的な失格条件に他ならない。法治主義確立を本領としている警察を前に、どのように引っ張っていくことができようか。その上、チョ候補者は今や前国家元首に対する名誉毀損疑惑からも抜け出しにくい。このくらいになったら、自ら退くことが本人にとっても、15万警察、そして任命権者のためにも最善の道だ。
原文: 訳J.S